インターンシップ・採用情報

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インターンシップ・採用情報
学生インターン

日本原子力研究開発機構では、国内の大学、大学院及び高等専門学校に在学中の大学生、大学院生、研究生及び高専生の4・5年生等を対象に、原子力機構の研究活動、実習プログラム等に参加し、原子力分野の様々な活動について参加いただける学生受入制度を設けております。

目的、募集方法や能力に応じて、以下4つの制度(特別研究生、連携大学院方式による学生研究生(以下「学生研究生」)、学生実習生及び夏期休暇実習生)がございますので、いずれかを選択の上、所属大学等を通じてお申し込みください。ここでは、原子力科学研究部門関連の特別研究生、夏期休暇実習生の募集情報について掲載いたします。なお、個々の受入制度については原子力人材育成センターをご参照ください。
原子力機構全体の募集情報については、原子力機構の募集情報をご覧ください。

特別研究生

特別研究生は毎年度、原則として大学院生及び大学院研究生を対象に公募し、書類審査により選抜しております。当機構への貢献度が高いことから奨励金を受けることができる学生受入制度となっております。自立した研究者として職員とともに積極的に原子力機構の研究テーマを進めていただける学生の応募をお待ちしております。

現在、募集はありません。毎年11月下旬ごろ募集開始予定です。以下は、前年度の募集テーマです。次年度応募の際の参考にしてください。


受入部署


研究テーマ分野


【テーマ】効果的な予測情報作成のためのWSPEEDI-IIユーザーインターフェース開発
【分野】計算機科学、システム科学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】WSPEEDI-IIは、国内外の原子力事故に伴い放出される放射性物質の大気拡散と公衆への被ばく線量を迅速に予測するシステムである。福島第一原子力発電所の事故における教訓から放出源情報の不確かな状況下でも予測情報を有効に活用するための研究開発が課題である。本研究においては、原子力事故に対する対策の事前検討から事後の中長期的対策までの様々な対応に対して有効な予測情報を作成可能なWSPEEDI-IIユーザーインターフェースの開発を目的とし、それぞれの対応検討時に求められる要件を抽出し、有効な情報を作成するための解析手法の検討を行う。

【テーマ】中性子非弾性散乱技術の高度化とその応用展開
【分野】物理学
【受入部署】量子ビーム応用研究センター
【内容】中性子非弾性散乱技術の高度化と応用を目指して様々な物質の機能発現に関わる構造ダイナミクスの研究を行う。特に分子表面や微細空間に吸着した水分子の分子運動の解析や水との相互作用で発現するガラス転移などの分子物性などに着目し、中性子散乱を分子科学や食品物理学などの研究分野へ展開・応用する。本研究テーマにおいては、中性子非弾性散乱の高度化が一つの軸となるが、それを応用する研究分野は問わない。また、中性子利用を研究の基軸とするが、熱測定やシミュレーションなど様々な解析技術を縦横無尽に組み合わせて研究に取り組む。

【テーマ】動的核スピン偏極法を用いた偏極中性子散乱実験
【分野】物理学
【受入部署】量子ビーム応用研究センター
【内容】動的核スピン偏極法による試料核偏極技術と偏極中性子散乱法を組み合わせた多成分複合試料の構造解析技術(スピンコントラスト変調法)の開発を行う。本研究は、中性子のスピン自由度を操りながら得られる複数の散乱パターンから多成分複合試料が持つ複雑な構造情報を一挙に解き明かすものであり、これまで中性子散乱実験とは全く無縁であった高度な磁気共鳴技術によってこれを実現する。

【テーマ】J-PARCリニアック加速器の性能向上に関する研究
【分野】物理学
【受入部署】J-PARCセンター
【内容】大強度陽子加速器研究施設(J-PARC)においては、初段の加速部となるリニアック、とりわけイオン源、高周波四重極リニアック(RFQ)、ドリフトチューブリニアック(DTL)といった先頭にある機器の電流やビームの品質(エミッタンス)が後段を含めた加速器全体のビーム性能を決める大きな要因となる。そこで本研究テーマにおいては、ビームシミュレーション、電磁場評価及び実機やテストスタンドの機器を使った測定・評価を通じて電流やエミッタンスなどのJ-PARCリニアックの性能向上に関する研究を行う。

【テーマ】J-PARC加速器のビームロスに関する研究
【分野】物理学
【受入部署】J-PARCセンター
【内容】大強度陽子加速器研究施設(J-PARC)の加速器においては、ビーム利用運転を実施しながらビーム出力増強のための研究開発も併せて実施している。ビーム出力を増強するためには加速する粒子数を増加させるだけでなく、加速途中でロスするビーム量を低減させることが重要である。ロスしたビームが加速器構成機器を放射化させ、機器を故障させるだけでなく、保守時の人体への被ばくが問題となるためである。本研究テーマにおいては、J-PARC加速器、特に3GeVシンクロトロンでのビームロスを低減させるためにロスのメカニズムの究明及びその対策の構築を目的とする。具体的には入射ビームの形状とロスとの因果関係の究明、荷電変換フォイルの影響とフォイルの最適化、残留ガスとの相互作用、インピーダンス低減、電子・陽子不安定性などに関する研究を行う。

【テーマ】中性子反射率装置を用いた物質界面・表面の構造解析
【分野】物理学
【受入部署】J-PARCセンター
【内容】大強度陽子加速器研究施設(J-PARC)物質・生命科学実験施設(MLF) に設置されている中性子反射率系を用いて高分子、磁性体をなどの物質の界面・表面構造の測定を行うとともに、解析技術の開発を行う。これにより、反射率系の高度化と新規利用法の開発を行う。同時に物質の界面・表面の構造とその機能の相関を解明する。

【テーマ】重イオン多核子反応による未知原子核の合成と原子核構造の研究
【分野】物理学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】重イオン反応を用いて安定同位体から離れた原子核を合成し、これらの原子核の構造や核分裂過程を実験的に研究する。近年、核データ測定や中性子過剰核・超重元素を合成する方法として多核子移行反応が注目されている。原子力機構のタンデム加速器などから得られる重イオンビームを用いて反応過程を調べるとともに、生成された高励起状態からのγ線遷移や核分裂を観測することで未知核の原子核構造を明らかにする。また、直接中性子源を用いる手法ではデータ取得が不可能な短寿命原子核の中性子入射反応断面積を多核子移行反応から測定する手法(代理反応)の成立性について調べる。

【テーマ】天体での元素合成に関する核反応研究
【分野】物理学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】宇宙における元素の起源に関する実験研究を行う。ビッグバン直後では、軽元素が主に生成されたと考えられている。ビッグバンの標準模型を検証するには軽い原子核領域の核構造及び反応機構を知る必要がある。本テーマにおいては、この過程を調べるための原子核実験を原子力機構タンデム加速器施設などを用いて行う。

【テーマ】超重元素ビームを用いた超重元素の物理・化学研究
【分野】物理学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】本研究においては、超重元素の低速イオンビーム生成技術を開発し、これを用いた超重元素の核物理及び核化学の先端研究を行う。具体的には超重元素ビームの生成、減速、イオンガイド技術の開発、荷電変換法を用いたイオン化エネルギー測定方法の開発、核分光実験による超重核の核構造研究、核分裂メカニズムの研究、超重元素の吸着特性の研究などを行う。これらの超重元素はタンデム加速器施設などから得られる重イオンビームを用いた反応で生成する。 

【テーマ】エキゾチック核構造の理論研究
【分野】物理学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】安定同位体に比べ陽子又は中性子数が過剰なエキゾチック核の構造を大規模数値計算を用いた理論研究によって解明する。原子質量や低励起状態のみならず、電磁強度関数、ベータ強度関数、準位密度等、高励起状態あるいは統計的性質をも統一的に記述する枠組みを追求し、それによって実験が困難なエキゾチック核の中性子捕獲反応などの核変換に資する基礎研究を展開する。

【テーマ】ダブルハイパー核の研究
【分野】物理学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】原子核の存在範囲はストレンジネス自由度を入れることで大きく広がる。これまでストレンジネスを一つ含んだ原子核は40程度見つかっているが、ストレンジネスを二つ含む原子核はまだほとんど見つかっていない。本研究テーマにおいては、J-PARCのK中間子ビームを用いてストレンジネスを二つ含むダブルハイパー核を探索し、ダブルハイパー核の世界を明らかにすることを目指す。

【テーマ】エキゾチック原子の研究
【分野】物理学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】負電荷を持つハドロンは物質中で静止吸収されると原子軌道に入り、エキゾチック原子となる。この原子状態を詳しく調べることでハドロンの質量やハドロンと原子核の強い相互作用についての情報が得られる。本研究テーマにおいては、J-PARCのK中間子ビームを用いて世界初となるグザイ粒子を含む原子(グザイ原子)の生成とそこからのX線の観測を目指す。

【テーマ】ストレンジネスを持つバリオン相互作用の研究
【分野】物理学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】ストレンジネスを含むバリオン間相互作用は、ハイパー核の存在領域を左右するだけでなく核力の起源や高密度天体の構造を調べる上でも非常に重要である。本研究テーマにおいては、ストレンジネスを含むバリオン間相互作用についてJ-PARCのハドロンビームによる散乱実験やダブルハイパー核を含む軽いハイパー核の測定を通じて研究する。

【テーマ】高強度ハドロンビーム実験用測定器の開発研究
【分野】物理学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】J-PARCではπ中間子及びK中間子といったハドロンビームを大強度にすることにより、これまで困難であった核子の稀反応の研究を推進している。そこでは既存ビームより一桁高いビーム環境下でも動作するビーム飛跡測定器や高速のデータ読出装置が必要とされている。本研究テーマにおいては、このような大強度ビーム実験に必要とされる測定器やデータ収集装置の開発及び実ビーム環境下での検証実験を行う。

【テーマ】ハドロン物質及びクォーク物質の理論的研究
【分野】物理学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】中性子星物質の密度は標準原子核密度よりも低い密度の表面から数倍の高密度の中心部まで広い領域にわたっている。また、原始中性子星や超新星爆発コアのような高温の状態から長時間経過した冷たい中性子星まで天体では様々な温度も実現している。そのような極限状態の物質の状態方程式、幾何学的構造、相転移の様相などを解析的・数値的手法によって研究する。

【テーマ】ハドロンのスペクトルと有限密度でのダイナミクスの理論研究
【分野】物理学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】J-PARCにおける実験プロジェクトなどに関連するハドロンスペクトロスコピー及び有限密度でのハドロンのダイナミクスの理論的研究を行う。

【テーマ】f電子系の磁性と超伝導の物性研究
【分野】物理学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】低温物性実験手法を用いてf電子系の化合物の電子物性研究を行う。特に低温での新奇な磁性と超伝導の研究を行う。また、新しい機能物性を持つ新規原子力材料探索を行う。原子力科学研究所の施設及びJ-PARCのMLF施設で実験研究を行う。

【テーマ】素粒子ミュオンを用いた物質科学研究
【分野】物理学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】素粒子ミュオンは物質内部において原子核や電子が作る磁場を超高感度で検出するプローブとして用いることが可能であり、物質科学研究に広く用いられている。本研究テーマにおいてはJ-PARCなどの加速器施設を用いて得られる様々なエネルギーのミュオンを用いることにより物質内部から表面、界面まで含めた広い範囲における磁性、半導体、超伝導体などの物質研究を行っていく。

【テーマ】ナノ構造制御による原子力先端材料開発の研究
【分野】物理学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】最先端のナノ構造制御研究を可能とする分子線エピタキシー薄膜創製装置 (MBE)、X線光電子分光装置 (XPS)、走査型トンネル顕微鏡装置 (STM)、表面ストレス制御装置、ホット試験施設などを駆使し、耐放射線性デバイスを含む多機能材料の表面・界面制御、低次元ナノ構造創成及び物性の解明を行う。

【テーマ】耐放射線デバイスへの応用に向けた低次元ナノ構造材料の創製と物性研究
【分野】物理学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】原子レベルで微視的構造を制御した低次元化ナノ材料は、耐放射線性を特徴とするスピントロニクスや希少元素のリサイクル技術への応用が期待されている。本研究テーマにおいては、受け入れグループが有する原子層物質やヘテロ薄膜の成長技術及びそれらの分析に適した放射光やスピン偏極原子線などの先端ビーム技術を駆使して、新規な低次元ナノ構造材料の創製と電子・スピン物性に関する研究を実施する。

【テーマ】統合化燃焼計算コードシステムSWAT4を用いたPIE実験解析とSWAT4の燃焼計算の改良
【分野】物理学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】連続エネルギモンテカルロコードMVPと一点炉燃焼計算コードを組み合わせた燃焼計算システムSWAT4が公開され、燃焼計算を実施する環境が大きく拡充してきている。また、新しい燃焼計算手法としてチェビシェフ有利関数近似法(CRAM)に基づく高速かつ高精度な手法が提案され、本グループが開発しているMARBLE2でもそれに基づく燃焼ソルバーが取り入れられるなど、燃焼計算手法が大きく進歩してきている。そこで、受け入れ期間に応じて次の①~③の研究項目より一項目以上を選択し、研究を実施する。 ①原子力機構が保有するPIE実験データをSWAT4で解析・比較し、SWAT4の信頼性向上に寄与するとともに、改善すべき断面積などについての新たな知見を得る。 ②SWAT4にORIGEN2の代わりにCRAMを用いた燃焼ソルバーを実装し、米国産のORIGEN2コードに頼らない完全国産の燃焼計算コードシステムを開発し、その精度評価を実施する。 ③CRAMに基づく燃焼計算の実装について検討し、更なる高精度化や高速化のための手法について検討を行う。

【テーマ】国産核データ処理システムFRENDYへの発熱生成断面積及び損傷エネルギー計算機能の実装
【分野】物理学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】現在、原子力機構は国産核データ処理コードFRENDYの開発を進めている。核データ処理においては断面積データの線形化やドップラー拡がりの考慮など様々な処理が必要となるが、本研究テーマにおいては、発熱生成断面積と特定の反応に対する放射損傷エネルギーに着目し、FRENDYにそれらのポイントワイズデータを計算する機能を追加する。また、始めに現在核データ処理コードとして広く利用されているNJOY99での発熱生成断面積及び放射損傷エネルギーの処理を文献などから理解し、NJOYの手法をFRENDYに組み込む。その後、NJOYの手法の改良や、核物理モデルに即した手法を研究する。そして、考案した手法を実際にFRENDYに組み込み、新しい手法の妥当性を検証する。本研究テーマの遂行にはFortranもしくはC/C++のプログラミング技術が必須である。

【テーマ】国産核データ処理システムFRENDYへの高精度な熱中性子散乱則データ計算機能の実装
【分野】物理学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】熱エネルギー領域では原子や分子そして結晶格子の振動に起因する中性子へのエネルギー付与などの影響を無視することが出来ない。熱中性子散乱則はこの熱エネルギー領域の中性子の振る舞いを散乱断面積に取り入れるための関数であり、軽水炉などの熱中性子炉では特に重要となる。現在の熱中性子散乱則データの計算ではNJOYのLEAPRが広く使われているが、物理的に不確かな部分が多く、より高精度に熱中性子散乱則データを計算するツールの開発が全世界的に求められている。そこで、分子動力学などを用いた高精度な熱中性子散乱則データの計算手法を開発し、その成果を国産核データ処理システムFRENDYに実装する。なお、本研究を遂行するためにはFortranもしくはC/C++のプログラミング技術が必須である。

【テーマ】抽出錯体溶液中における水分子の振る舞いに着目したメゾスコピック構造解析
【分野】化学
【受入部署】量子ビーム応用研究センター
【内容】本研究テーマにおいては、複数の抽出錯体が溶液中で形成するメゾスコピックスケールの高次構造を明らかにすると同時に、その高次構造形成における水分子の影響を明らかにする研究を行う。抽出錯体の高次構造とその特性を理解する研究は、近年の中性子散乱や放射光施設の発展に支えられて急速に進みつつある新しい領域である。X線・中性子小角散乱(SAXS・SANS)法によるメゾスコピック構造解析に加え、中性子準弾性散乱法による水分子のダイナミクスに関する知見を組み合わせて研究を推進するが、試料の調製・キャラクタリゼーションも行うため広範な知識と技能を習得することができる。

【テーマ】昇温脱離法を用いた粘土鉱物からのCs脱離観察
【分野】化学
【受入部署】量子ビーム応用研究センター
【内容】福島の汚染土壌中の放射性Csは主に粘土鉱物中に強く固定されているが、アルカリ塩を添加して加熱処理を行う乾式法により除去することが可能である。しかし、添加するアルカリ塩の種類とCs脱離温度、効率の相関関係については包括的な研究がなく、不明な点が多い。昇温脱離法(TDS)は真空環境下で加熱した試料から様々な脱離種を質量分析器で分析しながら温度の関数として検出する手法であり、粘土鉱物から脱離するCsを直接検出できるだけでなく、添加したアルカリ由来のNa、Ca、Clなどの脱離挙動との相関関係も調べることができる。そこで、本研究テーマにおいては、TDSを用いて様々なアルカリ塩を添加した場合のCs脱離挙動の違いを観測し、より低温域でCs脱離を促進する試薬を探索するとともに、その脱離メカニズムに関する知見を得ることを目的とする。また、加熱処理を行った粘土鉱物残渣について放射光を用いたX線吸収分光による分析も実施する。

【テーマ】超重元素の化学的特性
【分野】化学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】原子番号100を超える重元素及び超重元素においては、相対論効果によって電子軌道が大きく変化し、このため重元素に固有の錯体や分子構造が現れると考えられる。本研究テーマにおいては、タンデム加速器から得られる重イオンビームを用いてこれら元素を合成し、化学及び原子的性質をシングルアトム化学手法により明らかにする。化学的性質は酸化還元電位測定、溶媒抽出測定、及びクロマトグラフ測定などで調べる。原子的性質として、オンライン同位体分離器を利用したイオン化エネルギー測定やスピン状態測定などを行う。

【テーマ】Mn酸化菌生成過程における放射性核種の共沈機構の解明
【分野】化学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】Mn酸化菌はMn(II)の酸化及びMn(VII)の還元により生成する。Mn酸化菌は高い吸着性能を有することが知られており、その生成過程においても元素の取り込み能は高いと考えられる。本研究テーマにおいては、Mn酸化菌が生成する糧における放射性Srなどの核種の取り込み機構について解明する。具体的にはMn酸化菌の生成、電子顕微鏡などによる特性の把握及び元素の取り込み挙動とその化学状態の解明を行う。

【テーマ】新規抽出剤の開発及び高効率抽出分離システムの構築
【分野】化学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】本研究テーマにおいては、放射性金属、レアメタルなどを対象とした溶媒抽出分離システムの開発を行う。溶媒抽出法は有望な金属イオンの分離技術であるが、高い抽出分離効率を得るには使用する抽出剤が大きな鍵となる。近年、我々のグループはジグリコールアミド酸型の抽出剤がランタノイドなどに対して高い抽出分離能力を有することを明らかにした。そこで、ジグリコールアミド酸の骨格構造を出発点とした分子設計を行い、より高性能な新規抽出剤を開発する。放射性金属などの種々の金属に対して網羅的に抽出特性を検討し体系化することで新規抽出剤の特徴を活かした高効率抽出分離システムを構築する。

【テーマ】エマルションフロー法を利用した金属回収技術に関する研究
【分野】化学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】本研究テーマにおいては、新たな湿式抽出分離手法”エマルションフロー法”を用いて、放射性廃液、工程液などに含まれる放射性金属及びレアメタルなどの有価金属を高性能かつ低コストで回収する新規技術の研究開発を行う。エマルションフロー法の装置・システムに関する基礎的な研究を中心とした研究に取り組む。また、より高度な抽出分離を実現するため、エマルションフロー法に適用するための抽出系及び抽出剤の設計についても検討する。

【テーマ】イオン液体を媒体として利用した金属抽出に関する研究
【分野】化学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】本研究テーマにおいては、環境調和型の新しい溶媒として注目されているイオン液体を放射性金属などの抽出溶媒として利用した新規抽出技術の研究開発を行う。ある種の有機配位子とイオン液体とを組み合わせると金属イオンに対して非常に優れた抽出能が発現するが、選択的分離能が低い、逆抽出が困難といった問題がある。そこで、これらの問題を解決するため、イオン液体抽出系に適合する配位子の探索・分子設計を行う。また、分光学的手法による錯体構造の解明並びに新しい配位子の合成及び放射性金属等の化学分離のための新しい機能性素材の創製を目指した研究なども並行して行う。

【テーマ】無機固体材料表面を利用した 有害有機物の放射線分解反応の研究
【分野】化学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】本研究テーマにおいては、ゼオライトなどの無機固体材料による固相抽出と放射線照射を併用して水中の有害有機物の分解反応について研究する。生分解性が低い有機塩素化合物の分解処理を目的として、放射線照射による分解反応が検討されているが、低い反応効率が課題となっている。そこで、無機固体材料による放射線吸収の高効率化、固相表面への有害物質濃縮による反応効率の改善、さらに吸着による放射線反応に対する選択性の付与を期待し、固体材料に吸着した有機物の放射線分解反応を研究する。放射線反応の反応場として適切な無機材料の選定、固相抽出の併用が効果的な有機物の探索、無機イオンなど反応を阻害し得る共存物質の影響調査などを行う。

【テーマ】核分裂生成物の金属錯体化学に関する研究
【分野】化学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】使用済み核燃料を再処理したあとの高レベル廃液にはマイナーアクチノイド(MA)、希土類(RE)、白金族など多くの核分裂生成物が存在している。これらの核種をそれぞれの性質に応じて分離する技術である群分離の研究は、廃棄物の減容、希少金属の有効利用などにおいて重要である。本研究においては抽出剤の放射線分解生成物を用いてプロセス上問題とされているRuやMoをはじめとする遷移金属や希土類元素と反応させ、錯形成能を錯体構造や分光学的性質により明らかにすることを目的とする。

【テーマ】原子価変化に伴う凝集体形成反応の速度論的研究
【分野】化学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】環境中に放出された放射性核種は、イオン、錯体、コロイド凝集体などのいずれの化学状態をとるかにより挙動が大きく異なる。放射性核種の地中や水中での拡散を予測する上でその存在状態を把握することは安全上検討すべき重要な課題である。本研究テーマにおいては、電気化学的手法や粒子径分布測定法を用いてウランや核分裂生成物元素の原子価変化と凝集体形成に関する速度論的基礎データを取得することで、多様な溶液条件下(弱酸性~中性溶液、錯形成剤共存)での金属イオンの原子価変化を調べ、これに伴う錯体や凝集体形成反応の解明を行う。

【テーマ】難測定核種の新規分析法開発
【分野】化学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】放射性廃棄物を処理し、処分するためには廃棄物中に含まれる放射性核種の量を分析する必要があるが、一部の核種は測定が困難であるため分析法が確立されていない。本研究テーマにおいては、放射性廃棄物に含まれる難測定核種の分析法確立を目指して、特定の化学種に高い選択性を持つ固相抽出材料に分析対象を濃縮し、質量分析計及び放射線計測装置によって簡便に定量する手法を開発する。用いる固相抽出材料は測定対象及び使用分析装置に応じて調製し、模擬試料及び料を用いて性能を実証する。

【テーマ】アクチノイド元素の新規な分離手法に関する基礎基盤的研究
【分野】化学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】高レベル廃液から長寿命放射性核種を分離し、短寿命核種に核変換する分離変換技術の研究を進めている。特にマイナーアクチノイド(MA)は長寿命かつ放射能毒性が高いことから分離の優先度が高い。我々はMAに選択性を有する新規配位子を開発し分離プロセスへの適用を目指している。本研究においてはこの新規配位子のMA分離メカニズムの解明に取り組むとともに、新規な分離手法への適用を目指す。分離手法は手法として確立している溶媒抽出法及び抽出クロマトグラフ法はもとより、担体に機能を持たせることによって錯形成を制御することを試み、二次廃棄物発生量をより低減化した分離手法の開発を目指す。

【テーマ】固相による溶存形放射性核種等の化学状態変化機構の解明
【分野】地球科学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】放射性核種などの環境動態機構の解明に役立てるため、溶存形態の放射性核種などが土壌などに含まれる固相(鉱物、微生物等)とどのように反応し、放射性核種などの化学状態がどのように変化するかを明らかにする。具体的には吸着実験や取り込み実験前後の固相と液相における放射性核種などの化学状態を、分光的手法、放射化学的手法などにより調べる。

【テーマ】汎用的な海水中溶存有機物態放射性炭素分析システムの開発と応用
【分野】地球科学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】海水中の溶存有機物の一部は極めて分解しにくく、数千年にわたって安定に海水中に存在することが明らかにされている。この難分解性の溶存有機物は海洋表層における生物生産の引き金となる微量栄養元素や人為起源の汚染物質の担体として働くことが指摘されているが、その供給経路や循環過程は未解明な点が多い。本研究においては、海水中の溶存有機物を構成する放射性炭素(DOC-14)の年代の分布を解明することによって溶存有機物の循環の時間スケールを明らかにすることを目的として、当グループが開発している小型で汎用性の高い海水中DOC-14測定システムに関する研究開発を行う。

【テーマ】J-PARC核変換実験施設ビーム輸送システムの技術開発
【分野】工学
【受入部署】J-PARCセンター
【内容】長寿命放射性廃棄物の核変換により環境負荷を低減することを目的とした新しい原子力システムである加速器駆動核変換システム(ADS)の実現のため、本セクションは核変換実験施設(TEF)の概念検討及び大強度陽子ビーム輸送システムの技術開発を行っている。大強度陽子ビーム輸送システムにおいては、SAD及びIMPACTコードを用いたビーム光学設計、ビーム輸送機器の概念検討、耐放射線性ファイバスコープを用いたビーム診断装置の開発及び大強度レーザを用いた信頼性の高い荷電変換システムの開発を実施している。本研究テーマにおいてはこれらの研究開発課題の中から応募者の専門分野に応じて課題を選定し、技術開発を行い、得られた成果を施設の設計に反映する。

【テーマ】信頼性工学に基づくJ-PARC運転データの解析
【分野】工学
【受入部署】J-PARCセンター
【内容】長寿命放射性廃棄物の核変換により環境負荷を低減することを目的とした新しい原子力システムである加速器駆動核変換システム(ADS)を実現するため、ビームトリップ頻度が低い、信頼性が高い加速器を開発することが必要である。このため、現状の加速器において発生するビームトリップ頻度の評価やADSで許容されるビームトリップ頻度の評価などを行っている。本研究テーマにおいては、J-PARCリニアック、ビーム輸送系及びターゲットにおける運転データを信頼性工学に基づき解析を行い、各要素ごとのトリップ頻度などを算出しADSシステムの運転データベースを構築することを目的とする。

【テーマ】核破砕中性子源標的の構造健全性評価手法に関する研究
【分野】工学
【受入部署】J-PARCセンター
【内容】核破砕中性子源の水銀標的容器は高速な水銀流動による減肉や陽子・中性子照射による力学特性変化が運転中に生じる。さらに、陽子線入射に起因する熱応力に加えて、陽子線入射に励起される水銀中の圧力波によって高ひずみ速度の繰返し応力負荷を受ける。本研究テーマにおいては、水銀標的容器構造材であるオーステナイト系ステンレス鋼に対して、上記のような極限環境における耐久性の評価を実施する。具体的には溶接構造材に対して、高ひずみ速度下での疲労強度試験を実施し、ギガサイクル領域の疲労強度に及ぼす溶接や照射の影響を評価する。また、流動による減肉や溶接部などの疲労による劣化を初期段階で遠隔・非接触で検出するための技術開発を実施する。

【テーマ】J-PARC/MLF/ANNRIを用いた中性子共鳴吸収による即発γ線分布の測定研究
【分野】工学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】本グループはJ-PARCの物質生命科学実験施設(MLF)にある中性子核反応測定装置(ANNRI)を用い、ADS開発で必要とされる中性子捕獲反応断面積の測定を進めている。測定に際して共鳴毎の即発γ線の分布が測定値に影響を与えることが知られており、より高精度な断面積測定を行うためには共鳴毎のγ線の分布を知る必要がある。しかしながら、共鳴毎のγ線の分布のデータはほとんど測定されていない。そこで、本研究テーマにおいては、中性子共鳴吸収毎の即発γ線分布を高精度で測定することを目的に研究を行う。具体的にはANNRIに設置されたGeスペクトロメータを用い、中性子飛行時間法で試料に中性子ビームを当てたときの即発γ線と中性子エネルギーの同時測定を行う。それにより得られた実験データの解析を行い、中性子共鳴吸収毎の即発γ線分布の取得を目指す。

【テーマ】ナノ領域の材料研究のための陽電子科学に関する研究
【分野】工学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】陽電子は電子の反粒子であり電子と対消滅し、消滅γ線が放出される。この消滅までの寿命や消滅時のγ線のエネルギーを観測することでナノスケールの構造に関する研究が可能である。具体的には金属中の欠陥構造の状態、絶縁物中の自由体積や結晶構造などである。この特性を生かし、金属に色々な刺激を与えることで形成される空孔などの欠陥による巨視的物性変化の機構解明やナノスケールの構造変化から機能性高分子材料などの機能性発現の機構解明などを行う。

【テーマ】ジルコニウム窒化物における照射損傷の研究
【分野】工学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】陽電子は電子の反粒子であり電子と対消滅し、消滅γ線が放出される。この消滅までの寿命や消滅時のγ線のエネルギーを観測することでナノスケールの構造に関する研究が可能である。具体的には金属中の欠陥構造の状態、絶縁物中の自由体積や結晶構造などである。この特性を生かし、金属に色々な刺激を与えることで形成される空孔などの欠陥による巨視的物性変化の機構解明やナノスケールの構造変化から機能性高分子材料などの機能性発現の機構解明などを行う。

【テーマ】窒化物燃料における熱・電気伝導相関の研究
【分野】工学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】加速器駆動システムによるマイナーアクチノイド(MA)核変換用窒化物燃料の候補は、PuとMAをZrNで希釈した窒化物単相固溶体ペレットである。窒化物燃料の特長である高熱伝導率は電子伝導の寄与が大きい。本研究テーマにおいては、窒化物燃料の熱伝導率の物理的モデル構築を目的とし、PuとMAを希土類で模擬した(Dy,Zr)N焼結体を作製し、四端子法による電気伝導率測定とレーザーフラッシュ法による熱伝導率測定を行う。両者の温度依存性と組成依存性から熱伝導率における電子伝導の寄与とフォノン伝導の寄与を明らかにし、定式化した上で物性データベースに反映する。

【テーマ】燃料からの核分裂生成物 放出挙動評価
【分野】工学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】燃料から放出され原子炉内を移行する核分裂生成物(FP)の挙動を、原子炉の通常運転時から事故時までのあらゆる段階において高精度に評価するには、実験的・計算科学的手法を用いてメカニズムを把握した上でモデルを改良・高度化することが重要である。本研究テーマにおいては、被ばくなどに関し重要となるセシウム(Cs)、ヨウ素(I)、ルテニウム(Ru)などのFPを対象に、燃料からの放出・移行挙動評価技術の高度化への反映を目的とした非放射性のCs、Iを含む模擬燃料調製及び性状評価、Cs、Iなどの含有模擬燃料を用いた燃料破損及びFP放出実験、放出後FPの移行実験及び各種分析並びに第一原理計算による燃料中FP化学状態解析及びFP移行挙動の解析といった研究を受入れグループ員と協力して行う。

【テーマ】加速器駆動核変換システムの核特性検討
【分野】工学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】原子力機構は高レベル放射性廃棄物(HLW)に含まれるMAなどの長寿命核種を核変換し、HLWの地層処分に係る負担軽減を目指してMAを主成分とする燃料を用いた未臨界炉心と加速器を組み合わせた加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発を実施している。これまでのADS核設計は理想的な燃料組成を仮定して行われてきたが、実際の分離プロセスや燃料製造の過程を考慮した場合、様々な不純物の影響を考慮する必要がある。本研究テーマにおいては、最新の分離プロセスや燃料製造の知見を反映し、より現実的なADS炉心の核特性検討を行い、MA分離や燃料製造プロセスと整合性の取れたADS概念を構築する。

夏期休暇実習生

夏期休暇実習生は、インターンシップの希望が集中する夏期(7月中旬~9月末日)に限定した公募制度で、広く原子力機構の業務について、研究活動はもちろんのこと、技術職や事務職の業務を実務体験できる実習テーマにて、広く受入れ可能な制度となっております。また、大学から原子力機構の受入拠点までの旅費については当機構が負担いたします。原子力分野に御興味のある方の御応募お待ちしております。

平成28年度夏期休暇実習生の募集要綱はこちらです。また、原子力科学研究部門が受入部署となっているテーマについては以下をご覧ください。


受入部署


研究テーマ分野


職種


【テーマ】単結晶中性子回折実験用標準有機結晶の調製
【職種、分野】研究職、化学
【受入部署】J-PARCセンター
【内容】有機結晶中の水素原子を確実に観察することができる強力な分析手法である単結晶中性子構造解析は、1mm角程度という巨大な単結晶試料を必要とする。そこで、本テーマでは、実際に単結晶試料の調製を行うことで、本手法に必要な巨大有機単結晶試料調製の知見について、実習を通じて学習する。さらに、単結晶中性子構造解析法の基礎やJ-PARCにおける中性子回折測定の原理について座学及びMLFの見学を通じて学習する。これにより、単結晶中性子構造解析法についての基礎知識を身に付け、将来的にMLFのユーザーとなり得る学生を育成する。

【テーマ】金属錯体の光物性メカニズムの解明と発光特性を利用した放射性廃棄物分析法の開発
【職種、分野】研究職、化学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】放射性廃棄物には、多種類の金属イオン(dブロック,fブロック金属)が含まれている。これらは、電子配置に由来する特徴的な光物性を示すものが多い。本実習では、金属錯体の発光挙動を高分解能で測定するとともに、極短パルスレーザーを利用して、時間分解スペクトルや発行寿命解析を行うことで、発光メカニズムと電子状態や分子構造等との相関を明らかにすることを目的とする。得られた結果を利用して、放射性廃棄物中の核種認識分子の設計について検討する。

【テーマ】アクチノイドの簡易迅速分離分析技術に関する研究
【職種、分野】研究職、化学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】放射性廃棄物等に含まれるウラン等アクチノイドの分析法の高度化研究を行う。煩雑かつ長時間を要する従来の分析法では、多量の測定試料を分析することは困難であることから、簡易化及び迅速化が望まれている。本実習では、アクチノイド核種分析の工程を簡略化するためのイオンの原子価制御や吸着分離条件の検討を行い、マイクロ化学チップを用いたアクチノイドの簡易迅速分離分析システムの構築を目指したフロー分析技術を実習する。

【テーマ】原子炉構造材表面に付着するセシウムの第一原理計算による状態評価
【職種、分野】研究職、化学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】通常の第一原理計算は、絶対零度での状態を評価するが、格子振動エネルギーを考慮すれば有限温度における物質の状態を評価することができる。本実習では、第一原理計算コード、格子振動計算コード及びデバイ近似コードにより、格子振動エネルギーを考慮した計算を実施して、原子炉構造材表面に付着するセシウムに係る比熱や自由エネルギー等の物性値を計算する。これにより、有限温度における物質の安定性や熱力学特性を理論的に求め、第一原理計算の基礎とその応用について学習する。

【テーマ】アクチノイド分離プロセスに関する基盤研究
【職種、分野】研究職、化学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】高レベル廃棄物にはマイナーアクチノイド(MA)等の長寿命核種が含まれており、地層処分では長期間の生物圏からの隔離が必要となる。当グループは、この長期リスクを軽減するため、MA等を分離し、加速器などによって短寿命核種に核変換する分離変換技術の研究を進めている。本テーマでは、MA分離プロセスの研究において開発された抽出系を用い、アクチノイド元素又はランタノイド元素の抽出実験を行うことによって、アクチノイド元素の溶液化学的な実験手法を習得するとともに、MA分離プロセスについて学習する。

【テーマ】核分裂で発生する元素の溶媒抽出に関する基礎研究
【職種、分野】研究職、化学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】当グループは、再処理・核種分離プロセスの開発を目指している。新しい概念に基づく再処理プロセスを開発するためには、新しい分離試薬の創成や抽出性能の評価が不可欠である。実習生には、核分裂で生じる様々な元素の抽出技術について学習し、実習することにより、将来の原子力研究、特に高速増殖炉サイクルや加速器駆動未臨界システムの開発に関連する研究に関心を持つことを期待する。本テーマでは、具体的には、ランタノイド又は白金族元素、Zr、Mo等の元素を使って、当グループで独自に開発した抽出剤で溶媒抽出する方法、有機相中の元素を水相に逆抽出する方法等の実習を行う。

【テーマ】溶融塩試料の電気化学測定による乾式燃料処理法の基礎研究
【職種、分野】研究職、化学
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】本テーマでは、溶融塩や液体金属を溶媒として用い、溶融塩電解等を主工程として分離回収を行う乾式処理法は、先進的な使用済核燃料の処理方法として、各国で研究開発が進められている。本実習では、電気化学的手法を用いて溶融塩試料中の元素の熱力学及び速度論的データを取得する実験方法及びその解析方法を習得する。実験では、核分裂生成物として使用済燃料に多く含まれるランタノイド元素などの非放射性試料を用いる。

【テーマ】超重元素の化学的研究
【職種、分野】研究職、化学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】本テーマでは、原子番号100を超える超重元素の化学的研究の一端を実習する。加速器で合成されるこれらの重元素は、生成量が少なく寿命も短いため、シングルアトムでの迅速な分析手法が要求される。実習では、溶媒抽出法、クロマトグラフ法や電気化学的手法に基づくトレーサーレベルの化学分離技術、それを用いたシングルアトムの分析法又はオンライン同位体分離器を利用した分析・測定などを行う。

【テーマ】エマルションフロー法による再処理での抽出分離及びスラッジ除去に関する研究
【職種、分野】研究職、化学
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】本件は、よりシンプルかつコンパクトな使用済み核燃料の再処理技術の開発を目指した研究である。本テーマでは、エマルションフロー法を利用して、再処理で分離・精製工程を模擬した溶液に対して、迅速かつ高効率な金属イオンの溶媒抽出とスラッジ成分の除去を一体化したシステムを構築するための実習を行う。エマルションフロー法では、液液分配による金属イオンの抽出と液液界面吸着によるスラッジ成分の回収を同時進行できるため、一体化システムの構築が可能である。具体的な実習内容としては、エマルションフロー装置を用いて、核分裂生成物の様々な金属成分(非放射性物質で模擬)が共存し、かつその一部がスラッジとして存在する硝酸水溶液から、希土類元素(ウランの模擬)を抽出・逆抽出し、同時にスラッジ成分を除去する実験を行う。

【テーマ】核医学検査薬の国産化に向けた照射技術開発
【職種、分野】研究職、化学
【受入部署】大洗研究開発センター
【内容】医療診断用RIである99mTcの親核種99Moの(n, γ)法による研究開発として、照射ターゲットである高密度三酸化モリブデン(MoO3)の製造技術及び99Mo/99mTc分離・抽出技術開発を進めている。本実習では、高密度三酸化モリブデン(MoO3)の製造方法に関する調査やその特性評価を行う。また、99Moから99mTcを抽出するためのジェネレータとして用いられるMo吸着剤の性能評価として、Mo吸着/溶離試験を行い、Mo吸着剤の高性能化について、Mo吸着剤の結晶構造や比表面積の観点から考察する。

【テーマ】高出力核破砕中性子源の液体金属用容器の発生応力低減を目指した解析評価
【職種、分野】研究職、機械
【受入部署】J-PARCセンター
【内容】陽子ビームを液体金属標的に入射する高出力核破砕中性子源において、金属性標的容器では、陽子ビーム入射に伴う発熱による熱応力や液体金属中の瞬時発熱による圧力波に起因し、容器に動的な応力が負荷される。本テーマでは、堅牢な標的容器開発の一環として、容器の構造と発生応力の低減効果を評価することを目的とし、熱応力計算には陰解法有限要素法コード(ABAQUS又はANSYS)を、動的応力計算には陽解法コード(LS-DYNA)を用いて、応力計算から構造強度評価までの一連の流れを実習する。

【テーマ】CFDコードによる多相流挙動の数値解析に関する研究
【職種、分野】研究職、機械
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】本実習では、原子力システム内に現れる気相(気体)と液相(液体)などの異なる相が混ざった流れ(多相流)に対する解析を、詳細なCFD (Computationa Fluid Dynamics、数値計算力学)コードにより実施する。解析の実施に当たっては、入力条件の選定から解析結果の可視化・整理までの一連の作業を行い、多相流やCFDの基礎を学ぶととともに、原子力システム及びその中での熱流動現象の基礎についても学習する。

【テーマ】原子炉炉心模擬流路内気液二相流特性に関する実験的研究
【職種、分野】研究職、機械
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】原子炉炉心流路を簡略模擬した試験装置を使って、原子力システム内に見られる気液二相流を対象に、ワイヤーメッシュセンサを利用したボイド率分布計測や差圧計を利用した二相流圧力損失計測を行う。これにより、軽水炉炉心熱流動評価において重要な気液二相流、中でも特徴的な気泡流の基本的な特性を理解する。また、本実習を通して、二相流計測技術に関する一連の知識を習得するとともに、気泡流データの評価法についても学習する。

【テーマ】受動的安全性を持つ原子炉圧力容器の冷却設備に関する研究
【職種、分野】研究職、機械
【受入部署】高温ガス炉水素・熱利用研究センター
【内容】本テーマでは、動的機器を必要とせず、福島第一原子力発電所の事故のようにヒートシンクを喪失することもなく、事故時の崩壊熱を受動的に除去することができる、新たな冷却設備について検討する。汎用熱流動解析コードを用いた解析モデルの作成から、解析結果の検討までの一連の流れを実習する。

【テーマ】HTTR炉心冷却喪失試験に向けた炉容器冷却設備の温度解析モデルの構築
【職種、分野】研究職、機械
【受入部署】大洗研究開発センター
【内容】高温ガス炉の固有の安全性を定量的に明らかにするため、高温工学試験研究炉(HTTR)を使用して安全性実証試験を行っている。その一環として、原子炉のすべての冷却能力を喪失させた炉心冷却喪失試験を計画している。本試験は、実際の高温ガス炉を使用して、全電源喪失を模擬した過酷な条件であっても、原子炉の安全性を示す世界に例のない試験であり、世界的に注目を集めている。本試験では、炉心からの崩壊熱が輻射、自然対流及び熱伝導が複合して、原子炉回りの1次生体遮へい体が高温になると予測されている。本実習では、これまでにHTTRで得られた試験結果と数値解析結果との比較を行い、数値解析モデルを改造して予測精度を向上させるとともに、1次生体遮へい体の温度分布を明らかにし、局所的な高温部分の有無を確認して試験計画に反映させることを目的とする。

【テーマ】J-PARC核変換実験施設の鉛ビスマス核破砕ターゲットループ要素技術研究
【職種、分野】研究職、材料
【受入部署】J-PARCセンター
【内容】J-PARCセンターでは、長寿命放射性廃棄物を核変換して環境負荷を低減することを目的とした新しい原子力システム「加速器駆動システム」を実現するため、核変換実験施設TEFの建設を計画している。本実習では、施設に設置予定の250kW級核破砕ターゲットの鉛ビスマスループの設計に不可欠な酸素制御技術、材料開発等の要素技術研究を、JAEAに設置した、世界でも希な大型鉛ビスマス試験ループを用いて実習する。

【テーマ】高エネルギーイオン照射に伴う微細構造変化の解析
【職種、分野】研究職、材料
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】本テーマでは、セラミックス材料又は金属材料の高エネルギーイオン照射に伴う結晶構造変化、ナノ構造変化に関する研究背景について学び、最近、原子力機構で得られた実験データの解析作業を体験する。イオン加速器のマシンタイムの日程と折り合えば、マシンタイム実験に参加し、イオン照射実験を体験する。照射材料のX線解析実験などの実習を行い、微細構造変化の観点からイオン照射効果を理解する。

【テーマ】液体金属材料劣化に関する研究
【職種、分野】研究職、材料
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】使用済み核燃料の減容化に有効な加速器駆動核変換システム(ADS)の冷却材である液体鉛ビスマス(Pb-Bi)中では、酸素センサに過大な応力負荷がかかり、重要な素子であるジルコニア管(YSZ)の破損につながる。本実習では、様々な熱履歴を与えたYSZの4点曲げ試験を行い、Pb-Bi中の熱履歴による強度変化を調べ、ラマン測定や微細組織観察等による結晶構造変化などの一連の研究内容を体験する。

【テーマ】窒化物模擬燃料ペレットの電気-熱伝導相関の研究
【職種、分野】研究職、材料
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】マイナーアクチノイド核変換用窒化物燃料の基礎特性解明に関する一連の研究手法を実習する。具体的には、窒化物模擬燃料ペレットの電気伝導率と熱伝導率の相関を定量的に明らかにする。(Zr,Dy)N固溶体粉末から密度の異なるペレット試料を焼結し、室温から800℃程度までの温度範囲で、四端子法による電気伝導率の測定とレーザーフラッシュ法による熱拡散率の測定を行い、全熱伝導率における電子伝導の寄与とフォノン伝導の寄与を定量的に評価する。また、昇温時の体積変化を補正するために、高温熱膨張計による熱膨張率測定を行う。

【テーマ】軽水炉事故時の核分裂生成物挙動に関する研究
【職種、分野】研究職、材料
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】本テーマでは、模擬核分裂生成物含有試料を調製し、X線回折等を行うことにより、被ばく評価や除染作業計画の策定に重要なセシウム化合物の結晶構造に関する情報を得るための方法を学習する。また、加熱炉と質量分析計とを組み合わせた試験装置を用いて平衡蒸気圧を測定するとともに、熱力学データを用いて平衡蒸気圧を推定する手法を学ぶことで、事故時のセシウム挙動評価等における熱力学解析の有効性を理解する。

【テーマ】ジルカロイ被覆管の酸化メカニズムに関する研究
【職種、分野】研究職、材料
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】高温水蒸気中で酸化させたジルコニウム合金製被覆管試料から酸化皮膜を採取し、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡、エネルギー分散型X線分光法、顕微ラマン分光法等を用いて、酸化皮膜のミクロ組織、組成、結晶構造、化学状態等を分析する。本実習を通して、原子炉材料の炉内挙動を評価するための、金属組織観察技術や表面分析技術の基礎を習得する。

【テーマ】高温ガス炉燃料要素の材料特性評価に関する研究
【職種、分野】研究職、材料
【受入部署】高温ガス炉水素・熱利用研究センター
【内容】高温ガス炉の燃料要素は、セラミックスで被覆した粒子燃料を黒鉛マトリックスで焼結したものである。本テーマでは、高温ガス炉の空気侵入事故を想定し、高温での酸化による燃料要素(模擬燃料を使用)の材料特性の変化を把握することを目的とし、実験によりデータを取得し、データ評価までの一連の流れを実習する。

【テーマ】高温高圧水環境下における原子炉構造材料の機械的特性の評価・解析
【職種、分野】研究職、材料
【受入部署】大洗研究開発センター
【内容】照射技術開発の一環として、原子炉構造材料の高温高圧水環境下における健全性を評価することが必要不可欠である。本実習では、炉外試験装置を用いて、高温高圧水中における低ひずみ速度法による破壊試験を行い、溶存ガス濃度による構造材料の機械的特性への影響を調べる。また、走査型電子顕微鏡(SEM)で破面や断面の観察を行い、破壊挙動について考察する。

【テーマ】中性子及びX線による残留応力測定技術の高度化とその応用
【職種、分野】研究職、材料
【受入部署】物質科学研究センター
【内容】残留応力は、機械・構造物の疲労強度や応力腐食割れなどの強度特性に強く影響する。残留応力を評価・制御することは、機械・構造物の強度信頼性の向上や軽量化、高効率化を図る上で極めて重要である。原子力機構が保有している大型実験施設等で発生する中性子線や放射光X線などを利用すると、部材内部の残留応力を非破壊及び非接触で測定することができる。本テーマでは、このような残留応力測定技術の高度化とその応用研究に関する実習を行う。

【テーマ】森林生態系における炭素・窒素の循環プロセスに関する研究
【職種、分野】研究職、地球・環境
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】森林生態系における炭素や窒素の循環プロセスを正しく理解することは、将来の環境変化に対する生態系機能の応答を予測する上で重要である。本実習では、安定同位体分析を駆使した実験・観測研究及び大気拡散モデルや多層大気-土壌-植生モデル等を利用した数値シミュレーション研究の体験を通して、炭素・窒素の循環プロセスを新しい視点から解明する技術の理解を目指す。

【テーマ】きのこ菌糸を利用した福島県内汚染土壌からの放射性セシウム回収野外実験
【職種、分野】研究職、地球・環境
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】放射性セシウムを効率的に濃集するきのこ菌糸を実験室で大量培養する。それを栄養培地とともに袋状生地に内包させたバイオマットを作製する。そのバイオマットを、放射性セシウムで汚染された福島県内の山間部に一定期間敷設し、回収する。乾燥した後、濃集した放射性セシウムの放射能を測定して当該バイオマットの有効性を評価する。本テーマでは、菌糸の培養、バイオマットの製作、敷設、回収及び放射能測定の一連の流れを習得するとともに、野外実験での実習も経験してもらう。

【テーマ】J-PARC核変換実験施設の鉛ビスマス核破砕ターゲットのシミュレーション解析
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】J-PARCセンター
【内容】J-PARCセンターでは、長寿命放射性廃棄物を核変換して環境負荷を低減することを目的とした新しい原子力システム「加速器駆動システム」を実現するため、核変換実験施設TEFの建設を計画している。本実習では、施設に設置予定の250kW級核破砕ターゲットの核熱特性をシミュレーションコードを用いて解析を行う。JAEAが整備を進めている核特性解析コードシステムや熱流動特性検証用の流動模擬ターゲット等の独自の試験設備を活用し、得られた解析結果を施設の設計に反映していく。

【テーマ】J-PARC加速器でのビームロスの低減に関する研究
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】J-PARCセンター
【内容】J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、世界最大級のビーム強度1Mの安定出力に向け、様々な研究開発を行っている。特に重要な課題 は、ビームロスの低減である。ビームロスが大きいと、機器の放射化や機器の破壊、メンテナンス時の被曝が問題となる。したがって、1MWもの大強度ビームを安定して出力するためには、ビームロスの低減が必要不可欠である。本実習では、RCSのビームロスを低減することを目的として、シミュレーションによるビームロスのメカニズムの解明、実験装置を用いたビームの形状・位置等のビーム診断及びロスビームの処理に関する研究を行う。

【テーマ】高感度ガス分析装置「ブレスマス」を用いた呼気分析
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】研究連携成果展開部
【内容】原子力機構では、応用真空工学技術を駆使して、特殊機能付真空排気システムと高感度四重極形質量分析計との組み合わせで、呼気のように日常的な気圧(大気圧)状態にあるガスの成分を、約10秒の短時間で100ppbレベルまで検出できる高感度ガス分析装置「ブレスマス」を開発し、これまでに呼気分析による医療分野への応用やアルミ再生材の放出ガス分析による品質管理への応用のほか、野菜や果物の放出ガス分析による新鮮度の提案等に係る研究開発を行ってきた。本実習テーマでは、ブレスマスを実際に使用して質量分析計の原理や真空工学の基礎を学ぶとともに、農産物等の香り成分分析やスポーツ選手の呼気分析等に係る研究開発を行う。応募者は、化学の専門知識を有することが望ましい。

【テーマ】核反応モデル計算による核データ評価研究
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】核反応は、入射粒子と標的核との相互作用の時間スケールに応じて直接過程、前平衡過程及び複合核過程に分けられ、それぞれをモデル化した光学モデル・歪曲波ボルン近似モデル、励起子モデル、統計モデル等を組合せて、理論的な核反応断面積が導出される。本実習では、これらの核反応モデルに基づいて理論計算を行い、反応断面積、放出粒子スペクトル、角度分布等を導出し、測定データと比較検討するという一連の理論解析手法を体験する。

【テーマ】J-PARC測定データを用いた断面積導出のための基礎研究
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】パルス中性子源を用いた中性子捕獲断面積及び全断面積導出のためのデータ解析に必要なプログラム開発や検出器のシミュレーションを行う。本実習では、得られたシミュレーションの結果やプログラムを用いて、過去にJ-PARCで測定された実験結果の解析を行い、断面積導出に必要な手法を体験する。

【テーマ】放射線輸送計算基礎実習
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】本実習では、核データライブラリを放射線輸送計算コードで使える形式に処理することから始め、処理した核データを使い、簡単な計算モデルで放射線輸送計算を行う予定である である である である 。核データライブラリー及び炉定数の構造並びに核データ処理コードNJOY及び放射線輸送計算コード(DOORS、MCNP、PHITSなど)を実践的に習得し、大学で学ばれた炉物理の抽象的な知識を本実習を通じて具体的な知識にすることができる。本テーマは、特に放射線工学、炉物理及び核データの基礎を固めたい学生に推奨したい実習である。

【テーマ】固体減速小型原子炉の設計
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】当グループでは、宇宙などの極地での熱源及び電力源として、固体減速の小型原子炉の設計を実施してきた。本実習では、高精度な核計算コードMVPや最新の核データライブラリJENDL-4.0を用いて、改めて固体減速の小型原子炉の解析を実施する。この結果を以前の研究結果(SRAC2006+JENDL-3.3)と比較することにより、以前の解析結果の妥当性を検証する。また、余裕があれば、従来の設計に比べてより長寿命化、軽量化した炉心の設計を検討する。以上により、小型原子炉を例にとった核特性解析手法を実習する。

【テーマ】燃料デブリの臨界安全評価
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】当グループでは、東京電力の福島第一原子力発電所の事故で発生した燃料デブリの臨界安全管理のため、燃料デブリの最小臨界量評価を実施してきた。本実習では、今までの研究から得られた結果を基に、連続エネルギーモンテカルロコードMVPを用いて、固有値が最大となる体系に対し、どの程度の炉内構造物が入っていれば未臨界となるか、また、周囲に水以外のものを配置した場合にどの程度固有値が低下するか調査する。

【テーマ】炉心解析用モンテカルロコードMVPを用いた実習
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】当グループでは、原子炉工学で必要となる炉心解析、臨界安全計算などを目的とした連続エネルギーモンテカルロコードMVPを開発している。モンテカルロコードは、汎用的かつ高精度の解析が可能であるが、入力は複雑で、使いこなせるようになるには、ある程度の経験が必要となる。本実習では、MVPコードの初歩的な使い方から学習し、国際臨界安全ベンチマークハンドブック(ICSBEP)や国際炉物理実験ベンチマークハンドブック(IRPhEP)に掲載されている臨界実験を自ら解析できるようになることを目指す。本実習を通して、モンテカルロ計算の基礎、原子炉物理の基礎、評価済み核データの基礎などについても学習する。既にMVPコードを使える方は、自分の研究テーマに則するMVPの応用機能についても学習することができる。

【テーマ】汎用炉心解析システムMARBLEを用いた高速炉核特性評価及び不確かさ評価
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】当グループが開発している汎用炉心解析システムMARBLEの最新版は、解析フレームワークとなる柔軟性を備えるだけでなく、高速炉体系における核特性評価及びその不確かさ評価に関する機能を有するが、使いこなせるようになるにはある程度の経験が必要となる。本実習では、決定論的手法に基づく核特性解析の経験のある方を対象に、MARBLEの応用的な機能を用いて、高速中性子スペクトル体系における核特性評価や不確かさ評価を行う方法について学習する。

【テーマ】ガンマ線計測技術とその利用
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】ガンマ線計測は、環境中の放射性セシウムの分析を始め、多くの分野で重要である。実習では、シンチレーション検出器を中心としたガンマ線計測の基礎を習得し、さらに最先端の高時間分解能(100ピコ秒=10-10秒)の同時計測技術等についても理解する。これら手法を用いて、電子の反物質である陽電子と電子が、アインシュタインの導き出したE=mc2(Eはエネルギー、mは質量。質量をエネルギーに変換できることを示す。)に従って質量を失い、エネルギーとして放出されるガンマ線の計測を行う。物質中における反物質である陽電子の消滅寿命の計測を行い、陽電子消滅法を理解することを目標とする。また、害虫駆除や品種改良を始めとした、社会におけるガンマ線などの放射線の利用についても理解する。

【テーマ】加速器駆核変換システムの核特性解析研究
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】本テーマでは、高レベル放射性廃棄物中に含まれるマイナーアクチノイドの核変換による短寿命化を目的として研究開発されている加速器駆動核変換システム(ADS)に対して、モンテカルロ法及び決定論に基づく核計算コードを用いた設計計算や感度解析、誤差解析を行う。ADSの設計手法について学習するとともに、JAEAが開発したMARBLEコードシステムの取扱いに習熟することを目的とする。

【テーマ】重イオン核反応によるエキゾチック原子核の合成と核データ
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】本テーマでは、超重元素や中性子過剰核など、未知の原子核の合成方法について実習する。これらは、加速した重イオンとアクチノイド標的核との反応(多核子移行反応や核融合反応)で合成できるが、この核反応機構を実験的に調べる。さらに、重原子核領域に固有の崩壊様式である核分裂過程を理論計算コードを用いて考察する。実習を通じて、重イオンを用いた中性子核データ測定技術(代理反応)についても学ぶ。

【テーマ】超重元素の核構造と自発核分裂特性の研究
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】原子番号が100を超える超重元素は、加速器を用いて人工的に合成されるが、生成量が極めて少なく寿命も短いため、その物理的性質はほとんど調べられていない。本研究では、超重元素をイオン化・同位体分離し、ビームとして引き出すことで、超重元素の精密な原子核分光実験や自発核分裂特性研究を実施する。実習では、これらの実験で使用する実験装置の開発や検出器の特性試験、データ解析等を行う。また、時期が合えば、加速器を用いた実際の超重元素測定実験にも参加する。

【テーマ】大規模数値計算による原子核構造の研究
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】本テーマでは、原子力機構のスーパーコンピュータやPCクラスターを駆使し、大規模並列計算による原子核構造研究を行う。並列計算機の使い方及び原子核構造の基礎を学習した後、最終的に殻模型コードを走らせて、中性子過剰核の構造研究などの実践的な計算まで進むことを目指す。夏期休暇実習を終了した後、学生から要望があれば、学生実習生として受け入れることを検討する。

【テーマ】原子核崩壊の理論研究
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】不安定原子核はα崩壊、β崩壊、自発核分裂など、多様な崩壊様式を示し、その振る舞いを理解することは原子核物理の点からも、また、原子力利用の点からも重要である。本研究では、軽原子核から超重原子核まで、核図表上の幅広い領域に渡る原子核を対象に原子核崩壊の理論的研究を実施する。実習では、原子核構造・崩壊の基礎及び計算プログラミングの基礎を学んだ後、崩壊計算コードを用いて中性子過剰核または超重核の崩壊計算を行う。

【テーマ】ハドロンビームを用いたハドロン反応及びハドロン構造研究のための検出器開発
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】現在、粒子識別されたハドロンのビームを供給することができるのは、J-PARCハドロン実験施設のみである。本テーマでは、これを実現するために必要となる、静電セパレータなどの特徴的な機器及び粒子の計測に必要な検出器の原理を学ぶとともに、実験施設にて実際の機器を扱い、組み立て方、動作方法等を実習する。

【テーマ】f電子系の磁性と超伝導の微視的実験手法による研究
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】本テーマでは、磁気共鳴(NMR)法やミュオンスピン回転(mSR)法を用いてf電子系の化合物の電子物性研究を行う。特に低温での新奇な磁性と超伝導の研究を行う。原科研の施設及びJ-PARCのMLF施設で実験研究を行う。

【テーマ】変分モンテカルロ法による強相関電子系の研究
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】本テーマでは、重元素材料などの強相関電子系に対する理論手法のひとつである変分モンテカルロ法を習得する。手法の原理・アルゴリズムを理解し、実際に計算プログラムを作成・実行することにより、最先端の研究に用いることができるようにする。

【テーマ】力学運動と電子スピンや核スピンとの相互作用に関する実験研究又は装置開発
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】本テーマでは、力学運動と電子スピンや核スピンの相互作用の測定実験又はこれらの相互作用を強い遠心加速度場下で生じる原子の移動現象を利用した材料プロセスに取り入れるための装置開発を行う。物理学専攻の方の場合は実験に、機械工学や電子工学等工学専攻の方の場合は装置開発に重点を置いた実習を行う。

【テーマ】銅酸化物高温超伝導体の電子状態計算
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】銅酸化物は、常圧下において液体窒素温度以上で超伝導になる唯一の超伝導体である。本テーマでは、この高温超伝導体を記述する有効模型に対して、実空間電子状態計算を行う。格子欠陥などの乱れに対して、超伝導や電荷密度波などの秩序変数の安定性や空間依存性の解析を行う。そして、最新の実験データとの比較検討から、超伝導転移温度をさらに向上させる鍵を見出す。

【テーマ】スピンホール効果を示す合金の電子状態計算
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】先端基礎研究センター
【内容】スピンホール効果は、磁気の流れであるスピン流と電流との相互変換を起こす物理現象である。磁性体を用いたスピン熱電発電の性能指数向上のための鍵となる現象である。本テーマでは、このスピンホール効果を示す各種合金の電子状態計算を、密度汎関数法や量子モンテカルロ法を用いて行う。そして、スピンホール効果が大きな材料の発見を目指す。

【テーマ】プルトニウム燃料を装荷した高温ガス炉の反応度温度係数に関する研究
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】高温ガス炉水素・熱利用研究センター
【内容】本テーマでは、炉心に装荷するプルトニウム量の違いや核分裂性プルトニウムの割合の違いが、高温ガス炉の反応度温度係数に及ぼす影響を調べるとともに、その機構を明らかにする。Linux計算機を用いて核計算を行い、核計算コードの入力データ作成から計算結果の解析までの一連の流れを実習する。

【テーマ】高温ガス炉を用いたSi半導体製造に関する研究
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】高温ガス炉水素・熱利用研究センター
【内容】本テーマでは、高温ガス炉を用いたSi半導体製造に特化した高温ガス炉の概略設計を検討する。核計算コードの入力データ作成から計算結果の解析までの一連の流れを実習する。Linux計算機を用いて核計算を行い、核計算コードの入力データ作成から計算結果の解析までの一連の流れを実習する。

【テーマ】高温ガス炉の事故時における燃料FP放出挙動に関する研究
【職種、分野】研究職、物理
【受入部署】高温ガス炉水素・熱利用研究センター
【内容】高温ガス炉は、優れた固有の安全性を有する第四世代原子炉の一つであり、世界各国で研究開発が進められている。本テーマにおいては、高温ガス炉の安全性を確認するため、高温ガス炉の事故時における核分裂生成物(FP)の閉じ込め特性に関する評価等を実施する。

【テーマ】粒子輸送計算コードを駆使した大強度核破砕中性子源における新しいデカップラー材料の検討
【職種、分野】研究職、放射線
【受入部署】J-PARCセンター
【内容】デカップラーとは、ボロンなど中性子吸収材で構成され、パルス核破砕中性子源のパルス特性を左右する重要な役割を果たす。大強度出力下で使用する場合は、パルス特性、材料特性、放射線損傷及び残留放射能に留意して、適用できる材料や合金組成を選定する必要がある。そこで、本テーマでは、核破砕中性子源の簡素なモデルを用いて、3次元モンテカルロコードである粒子輸送計算コード(MCNPX or PHITS)による計算を行い、種々の中性子吸収材に対して放出される中性子パルス特性を評価して、最適なデカップラー材の候補を検討することを目的とする。本実習により、粒子輸送計算コードを用いて、非均質体系について、幾何形状モデルの作成から核特性評価までの一連の流れを実習する。

【テーマ】放射線挙動解析計算コードPHITSを用いた実習
【職種、分野】研究職、放射線
【受入部署】原子力基礎工学研究センター
【内容】物質や人体内における放射線挙動を計算機で模擬して解析する技術は、工学、理学及び医学の様々な分野に共通する基盤技術として、近年、その重要性が増している。原子力機構では、幅広いエネルギーを持つ様々な種類の放射線の三次元空間における挙動を解析できる計算コードPHITSを開発している。本テーマでは、PHITSコードを各自の研究目的(原子核実験解析、検出器の応答計算、医学物理計算など)に応用するための基礎的な実習を行う。※初心者の方は、東海村で開催する予定であるPHITS定期講習会(8月下旬)に出席し、PHITSの基礎的な使用方法について学習した後、本実習に参加することが望ましい。

【テーマ】HTTR炉心耐震解析
【職種、分野】技術職、機械
【受入部署】大洗研究開発センター
【内容】当課は、将来の情報通信・医療技術の発展に不可欠なナノデバイスあるいはMEMS (Micro Electro Mechanical Systems)創製の基盤となる量子ビーム技術として、核子当たりMeV以上のエネルギーを持つイオンマイクロビームの高空間分解能、高LET(Linear Energy Transfer:単位長さ当たりのエネルギー付与)及び長飛程の特長を活かした粒子ビーム描画(PBW:Particle Beam Writing)による加工技術の開発を行っている。本実習においては、広く材料・デバイス創製に係る研究に取り組む研究室の大学院生が、MeV領域の集束プロトンビーム装置を用いた描画による高アスペクト比を有する微細構造体創製の一連の加工プロセスに関する実験を体験するとともに、本加工技術に関する知識を習得する。

【テーマ】J-PARC加速器制御・解析技術に関する実習
【職種、分野】技術職、物理
【受入部署】J-PARCセンター
【内容】J-PARC加速器は、素粒子物理、原子核物理、物質科学、生命科学、原子力などの幅広い分野の最先端研究を行うための陽子加速器群であり、世界最高クラスの陽子ビームを発生する施設である。本実習では、加速器制御に広く用いられているEPICSによる制御・データ収集について学習した上で、加速器構成機器の制御及び測定データの収集・解析に関する体験実習を行う。

【テーマ】MVP-BURNコードによるHTTRの全炉心計算
【職種、分野】技術職、物理
【受入部署】大洗研究開発センター
【内容】HTTR(高温工学試験研究炉)は、燃料最高温度を最適化し、かつ燃焼期間を通じて維持するため、過剰反応度の燃焼による変化を小さくすることが求められている。このため、燃焼挙動の評価は、高温ガス炉の特性を評価する上で極めて重要である。このHTTRを対象として、MVP-BURNコードによる燃焼計算を実施する。実習では、HTTRの全炉心モデルを用いた解析を行い、燃焼による臨界制御棒位置の変化等を評価する。あわせて、得られた結果とHTTRで得られている試験データや拡散計算による解析結果との比較を行う。

【テーマ】研究炉とその利用に関する実習
【職種、分野】技術職、放射線
【受入部署】原子力科学研究所
【内容】研究炉は、原子力工学、原子核物理、物性物理、生命科学等の幅広い研究に利用される原子炉であり、発電するための商用炉とは大きく異なる。本テーマでは、研究炉を座学にて幅広く学びながら、部内の研究炉を見学することにより、研究炉全体の概観を得る。業務実習として、ロボットアームを用いた放射線の自動測定を行い、実際の研究炉利用を体験する。本テーマについては、原子力への入門コースと位置付けている。応募者は、学部の1年生程度の知識があれば十分である。※実習内容については、見学主体、実習主体等、調整できますので相談してください。

【テーマ】図書館情報学(図書資料の収集、整理及び提供)
【職種、分野】技術職、その他
【受入部署】研究連携成果展開部
【内容】原子力専門図書館における図書資料の収集、目録作成・分類付与、資料の配架、利用者対応などの窓口業務、文献情報データベース・アーカイブシステム運用などについて実務に即した実習を行う。本テーマについては、図書館情報学の専門知識が必要である。

【テーマ】J-PARCでの最先端科学・技術への理解増進活動の実践
【職種、分野】事務職、その他
【受入部署】J-PARCセンター
【内容】最先端の科学・技術研究は、非常に専門的であることから、研究内容や成果などが難解であると敬遠され、一般の方々に理解されにくいことがある。しかし、どんなに素晴らしい科学や技術であっても、理解を得ることができなければ受け入れられることはない。分かりやすい説明で最先端科学への理解を増進する活動が必須であり、それが社会からも強く求められている。数多くの研究成果を生み出し、多数の見学者が訪れる世界最先端の研究施設であるJ-PARCでは、研究者の言葉ではなく、一般の方々の目線に立った分かりやすい説明で、科学や技術の理解の増進を進めている。本テーマでは、J-PARCでの広報活動の現場を体験し、実践を通じて、プレゼンテーションやライティングのスキルを学ぶ。※広報活動の研修のため、他の拠点や高エネルギー加速器研究機構などに出張(日帰りで1日ないし2日)してもらいます。

【テーマ】原子力人材育成に係る事務支援
【職種、分野】事務職、その他
【受入部署】原子力人材育成センター
【内容】本テーマでは、応募者の能力を考慮して実習の内容を調整するが、大まかに、学生の受入れに関連した次のことを行う。(1)夏期休暇実習生懇談会の事務支援(2)夏期休暇実習生のアンケート取りまとめ(3)他部署が受け入れている夏期休暇実習生への取材※(3)については、出張する場合があります。最終日にプレゼンテーションをしていただきます。

関連するウェブサイト

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