日本原子力研究開発機構先端基礎研究センターの荒木 康史 研究副主幹と、家田 淳一 研究主幹は、電子回路の基礎となる素子「インダクタ」の機能について、絶縁体の薄膜を用いることにより、従来型インダクタと同等の電力効率を保ちつつサイズを抜本的に小型化できる新原理を考案し、理論的に検証しました。
本研究の成果は、電子回路の小型化と省電力化を両立する、基盤技術の足掛かりとなるものです。これまで信号処理回路中で大きなサイズを占めていたインダクタを大幅に小型化かつ省電力化することは、身の周りのあらゆる電子機器に高度な情報処理機能を搭載するための鍵となります。これにより、様々な電子機器がネットワークと連携して機能する「Internet of Things (IoT)」社会の進展に大きく貢献することが期待されます。
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 児玉敏雄、以下「原子力機構」)原子力基礎工学研究センター環境動態研究グループの小林卓也グループリーダーらの研究グループは、日本周辺海域の原子力施設等で万一の事故により放射性物質が異常放出された際に、放射性物質の海洋拡散を迅速に予測する新たな計算シミュレーションシステム“STEAMER: Short-Term Emergency Assessment system of Marine Environmental Radioactivity(緊急時海洋環境放射能評価システム)”を完成させました。