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研究成果の紹介
プレス発表

  • 2017 年度
  • 2016 年度
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2017 年度

発表年月日:17/09/8 | J-PARCセンター

フラストレーションと量子効果が織りなす新奇な磁気励起の全体像を中性子散乱で観測 -新しい磁気理論の指針を提示-

東京工業大学の伊藤沙也院生(現千代田化工建設)、栗田伸之助教、田中秀数教授、日本原子力研究開発機構の中島健次研究主席、河村聖子研究副主幹、高エネルギー加速器研究機構の伊藤晋一教授、茨城大学の桑原慶太郎教授、総合科学研究機構の加倉井和久サイエンスコーディネータの研究グループは、量子効果が顕著な三角格子反強磁性体の磁気励起の全体像を中性子散乱実験で初めて捉えました。研究グループは、三角格子反強磁性体の理想的なモデル物質「アンチモン酸バリウムコバルト(Ba3CoSb2O9)」に着目し、大型単結晶試料を作成、中性子を入射して、散乱中性子のスペクトルを高精度で解析。通常の磁性体で見られる磁気励起とは大きく異なる新奇な磁気励起について詳細を明らかにしました。従来の磁気励起の最小単位よりも細かい単位の励起(分数励起)の必要性を示唆する結果となり、フラストレーションと量子効果が新たな物性研究のフロンティアを開くこと、精密な中性子散乱実験が新奇な電子物性の解明につながることを示す成果となりました。
関連リンク:http://j-parc.jp/ja/topics/2017/Press170908.html
発表年月日:17/08/19 | J-PARCセンター

世界初! 白色中性子線を用いて微量な軽元素を含む物質の超精密原子像取得に成功 ― 機能性材料の性能向上に貢献 ―

名古屋工業大学の林好一教授、茨城大学の大山研司教授は、広島市立大学、高輝度光科学研究センター、熊本大学、日本原子力研究開発機構、J-PARC センター、高エネルギー加速器研究機構、東北大学金属材料研究所の研究者らと共同で、「白色中性子線ホログラフィー」の実用化に世界で初めて成功しました。白色中性子線とは、様々な波長を含む中性子線のことを指し、様々な波長の光を含んで白色となる可視光に倣って命名されています。ホログラフィーは、物体を三次元的に記録する撮像法です。白色中性子線を用いると複数の波長で多重にホログラムを記録できるため、従来技術をはるかに凌駕した精密な原子像を取得することができます。このたび開発した白色中性子線ホログラフィーとは、J-PARC で発生させる多重波長の中性子線を活かし、合計 100 波長程度のホログラムを一遍に測定できる技術です。X線回折法や電子顕微鏡法では観測できない軽元素の微量不純物の構造を感度よく観測できる点にも特徴があり、添加元素によって性能を制御する半導体材料、電池材料、磁性材料などの機能解明とともに新規材料開発に向けたブレークスルーが生まれると期待されます。
関連リンク:http://j-parc.jp/ja/topics/2017/Press170819.html
発表年月日:17/08/18 | 先端基礎研究センター

音波を用いて銅から磁気の流れを生み出すことに成功 -磁石や貴金属を必要としない磁気デバイス開発へ-

慶應義塾大学大学院理工学研究科の小林大眞(こばやしだいま・修士課程2年)、理工学部の吉川智英(2017年3月卒業)、能崎幸雄教授、東北大学金属材料研究所の井口亮助教(当時。現 物質・材料研究機構研究員)、齊藤英治教授、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構先端基礎研究センターの松尾衛研究員(当時。現 東北大学材料科学高等研究所研究員)、前川禎通センター長らは、銅に音波を注入することによって電子の持つ磁気の流れ「スピン流」を生み出すことに成功しました。本研究で実証された新しいスピン流生成法によって、磁石や貴金属を必要としない省エネルギー磁気デバイスの実現が期待されます。
関連リンク:https://www.jaea.go.jp/02/press2017/p17081801/
発表年月日:17/08/10 | J-PARCセンター

シリコンを使わない太陽電池の設計に道筋 有機系半導体の特性を解明、次世代型太陽電池の実用化へ期待

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 児玉敏雄)とJ-PARCセンター(センター長 齊藤直人)、総合科学研究機構(理事長 横溝英明)の研究チームは、太陽電池の材料として「ヨウ化鉛メチルアンモニウム(MAPbI3)」に注目しました。この物質は、無機物で構成された八面体の中に、有機分子が入れ子のように入った「ペロブスカイト」と呼ばれる独特の結晶構造を持ちます。このペロブスカイト半導体の一つであるMAPbI3の大きな特徴は、電気に変換する過程でエネルギーが熱として逃げてしまう割合が圧倒的に小さい点と、高い変換効率にあります。しかし、MAPbI3がなぜそうした特徴をもっているか、その理由は不明のままでした。そこで研究チームは、J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)に設置された2台の中性子非弾性・準弾性散乱実験装置を用いて、MAPbI3の原子運動を調べました。その結果、MAPbI3の中に含まれる有機分子の中に存在する正負の電荷が対となった電気双極子が独特の運動をしていること、この物質で熱を伝えているのは「光学フォノン」ではなく励起エネルギーがとても小さい「音響フォノン」であり、その伝搬速度が遅く、かつ寿命が短いため、熱伝導が極めて低く抑えられていることがわかりました。さらにMAPbI3では、半導体が光を吸収することで生成される「電荷キャリヤー」という状態が、再結合により消滅するまでにきわめて長い距離を移動できるという、太陽電池素材として有利な性質をもっており、低い熱伝導がこのキャリヤーの長い寿命を支えていることもわかりました。
関連リンク:http://j-parc.jp/ja/topics/2017/Press170810.html
発表年月日:17/07/27 | J-PARCセンター

200年にわたる謎に終止符、ガラスの基本単位の構造を決定 - オルトケイ酸を用いた高機能・高性能ケイ素材料の創出に期待 -

国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】触媒化学融合研究センター【研究センター長 佐藤 一彦】ヘテロ原子化学チーム 五十嵐 正安 主任研究員、山下 浩 主任研究員、フロー化学チーム 島田 茂 研究チーム長、同研究センター 佐藤 一彦 研究センター長は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構【理事長 古川 一夫】のプロジェクトでガラスの基本単位であるオルトケイ酸の結晶作製に成功し、国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構【理事長 児玉 敏雄】J-PARCセンター【センター長 齊藤 直人】大原 高志 主任研究員と一般財団法人 総合科学研究機構【理事長 横溝 英明】中性子科学センター 中尾 朗子 副主任研究員、茂吉 武人 研究員、花島 隆泰 研究員らの協力を得て、その構造を明らかにした。
関連リンク:http://j-parc.jp/ja/topics/2017/Press170727.html
発表年月日:17/06/21 | 物質科学研究センター

世界初!ショットピーニングを実用レベルで解析可能なシステムを開発 ―溶接継手の強度信頼性向上のために―

公立大学法人大阪府立大学(理事長:辻 洋)大学院工学研究科航空宇宙海洋系専攻海洋システム工学分野の柴原正和准教授、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長:児玉敏雄)物質科学研究センターの秋田貢一ディビジョン長、一般財団法人発電設備技術検査協会(理事長:藤冨正晴)溶接・非破壊検査技術センターの古川 敬所長らの共同研究グループは、原子炉構造物の溶接部における応力腐食割れを抑制するための表面改質技術のひとつである「ショットピーニング」工法によって発生する圧縮力(=圧縮残留応力)を、実用レベルで解析するシステムの開発に成功しました。
関連リンク:https://www.jaea.go.jp/02/press2017/p17062101/
発表年月日:17/06/19 | J-PARCセンター

電子:自転がふらつくと、軌道も変わる - 磁性物質における電子スピンのふらつきと電子軌道の結びつきが明らかに -

東京大学、日本原子力研究開発機構、J-PARCセンター、総合科学研究機構の共同研究チームは、中性子ビームを利用して、マンガンとバナジウムの複合酸化物における電子スピンのふらつきを測定し、磁性体において熱の伝わり方や磁石の向き、磁石の強さなどをコントロールする場合に重要な指標である電子スピンのふらつきが電子軌道の変化と結びついていることを明らかにしました。
関連リンク:http://j-parc.jp/ja/topics/2017/Press170619.html
発表年月日:17/05/19 | 高温ガス炉水素・熱利用研究センター

ポーランド及び英国と高温ガス炉技術の協力を開始 ~国産高温ガス炉技術の国際展開と国際標準化に向けて~

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 児玉 敏雄。)は、ポーランド国立原子力研究センターと「高温ガス炉技術に関する協力のための覚書」を平成29年5月18日に締結しました。また、英国のURENCO社と「高温ガス炉技術に関する協力のための覚書」を平成29年5月18日に締結しました。
関連リンク:https://www.jaea.go.jp/02/press2017/p17051901/

2016 年度

発表年月日:17/03/10 | 原子力基礎工学研究センター

原子力事故による海洋汚染を迅速に予測するシステムを開発 ~日本周辺海域の任意地点から放出された放射性物質の拡散挙動の計算が可能に~

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 児玉敏雄、以下「原子力機構」)原子力基礎工学研究センター環境動態研究グループの小林卓也グループリーダーらの研究グループは、日本周辺海域の原子力施設等で万一の事故により放射性物質が異常放出された際に、放射性物質の海洋拡散を迅速に予測する新たな計算シミュレーションシステム“STEAMER: Short-Term Emergency Assessment system of Marine Environmental Radioactivity(緊急時海洋環境放射能評価システム)”を完成させました。
関連リンク:https://www.jaea.go.jp/02/press2016/p17031001/
発表年月日:17/02/3 | 原子力基礎工学研究センター

使用済燃料中パラジウム-107の存在量を世界で初めて実測 ~試料に近づかずに高純度パラジウムを分離し正確に測定~

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長:児玉敏雄、以下「原子力機構」という。)原子力科学研究部門原子力基礎工学研究センター分析化学研究グループの浅井志保研究副主幹らと、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長:平野俊夫、以下「量研機構」という。)高崎量子応用研究所の佐伯盛久研究主幹らは、原子力発電で使用された燃料(使用済燃料)から高純度のパラジウムを分離し、パラジウム-107(107Pd)の存在量を世界で初めて測定しました。
関連リンク:https://www.jaea.go.jp/02/press2016/p17020301/
発表年月日:17/01/13 | J-PARCセンター

地球形成期におけるコアの軽元素の謎に迫る - 鉄へ溶け込む水素を中性子でその場観察 -

地球の中心核 (コア) は主成分である鉄に軽元素が溶け込んだものと考えられおり、どんな軽元素がどの程度存在するのかという疑問に対して、これまで数多くの実験的研究がなされてきました。有力候補の1つである水素は、高圧下でしか有意に鉄に溶け込まないこと、X線など従来の実験法では直接観察できないことなどから、その振る舞いはまだよく分かっていませんでした。東京大学大学院理学系研究科の飯塚理子 特任助教、八木健彦 特任研究員・名誉教授、東京大学物性研究所の後藤弘匡 技術専門職員らは、岡山大学惑星物質研究所と日本原子力研究開発機構J-PARCセンターとの共同研究で、水素の振る舞いを直接観察できる超高圧中性子回折装置PLANETを用いて、地球生成初期に集積した物質をモデル化した試料で高温高圧実験を行い、高圧下で温度が上昇し含水鉱物の脱水が起きると、固体のままの鉄に水素が溶け込むことを明らかにしました。このことから、水素が最初に固体の鉄に溶け込み、その後に核-マントル分離や他の軽元素の溶融鉄への溶解が起きた可能性が高いことが示唆されました。
関連リンク:http://j-parc.jp/ja/topics/2017/Press170113.html
発表年月日:16/12/16 | J-PARCセンター

タンパク質単結晶の回折斑点強度を高精度に決定する手法パルス中性子を用いた回折データで世界初の実用化J-PARC内の茨城県生命物質構造解析装置iBIXにより確立

タンパク質中性子回折データ測定の世界的潮流は、単波長の原子炉中性子源を用いた方法からパルス中性子源を用いたものへと移行しているものの、そのデータ処理精度は芳しくありませんでした。今回の研究は、この状態の改善への第一歩を歩み出したものです。それまで単波長のX線や原子炉中性子を用いた回折に使われていたプロファイルフィッティング法という高精度の手法を、パルス中性子を用いたタンパク質の回折において実用化することに成功しました。
関連リンク:http://j-parc.jp/ja/topics/2016/Press161216.html
発表年月日:16/10/27 | 物質科学研究センター

中性子回折による金属材料の集合組織高速測定システムを開発 J-PARC内の茨城県材料構造解析装置iMATERIAで世界最速レベルの技術を確立

茨城大学フロンティア応用原子科学研究センターの小貫 祐介 助教らの研究グループが、中性子回折によって金属材料の集合組織を高速に測定できるシステムを開発しました。定量的な集合組織解析が難しく、通常のX線回折では相分率を正確に定めることも困難な二相ステンレス鋼を用いて、これらの情報を定量的に、かつ数分という短時間の測定で求めることができるようになりました。これは大強度陽子加速器施設・J-PARC(茨城県東海村)に茨城県が設置した「茨城県材料構造解析装置(iMATERIA)」を用いて確立した技術で、試料を回転させる必要のない本方法は、金属材料の集合組織を高速に測定するシステムとしては世界最速のレベルであるといえます。今回の成果は、自動車のフレームに用いられる高張力鋼板や、モーターの高効率化に重要な電磁鋼板の高性能化に役立つと期待されます。また、これまで電池関連分野が中心だった「iMATERIA」の産業利用の裾野を、金属材料分野にまで大きく拡大するものだといえます。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2016/p16102701/
発表年月日:16/09/29 | 原子力基礎工学研究センター

公衆の宇宙線被ばく線量を世界で初めて国や地域ごとに評価 ~世界平均値は国連科学委員会の評価値より16%低いことが判明~

人類は,絶えず自然界から放射線を受けており,原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)が2008年に発表したレポートでは,全世界で自然放射線源による公衆の被ばく線量(実効線量)の約16%は宇宙線による寄与と評価されています。しかし,宇宙線による被ばく線量は,高度・緯度・経度により複雑に変化するため,UNSCEARは,国や地域ごとの詳細な評価は実施せず,限られた実測値から単純な仮定に基づいてその世界平均値のみを概算していました。このような背景から,より精緻かつ高精度な手法に基づく宇宙線被ばく線量の評価が望まれていました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2016/p16092901/
発表年月日:16/09/28 | 先端基礎研究センター

世界で初めての透明強磁性体の開発に成功 ― 新しい磁気光学効果の発見 ―

公益財団法人電磁材料研究所(理事長:荒井賢一)の小林伸聖主席研究員、国立大学法人東北大学(総長:里見進)学際科学フロンティア研究所の増本博教授、同金属材料研究所の高橋三郎助教および国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長:児玉敏雄)先端基礎研究センターの前川禎通センター長の研究グループは、全く新しい発想による透明強磁性体の開発に世界で初めて成功しました。開発した材料は、ナノグラニュラー材料と呼ばれる、ナノメートルサイズの磁性金属粒子を誘電相中に分散させた金属と絶縁体(誘電体)の2相からなる薄膜材料であり、室温で大きな光透過率と強磁性を示し、かつ、透明度が磁場で制御可能な新しい磁気-光学効果を示すことを見いだしました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2016/p16092802/
発表年月日:16/09/28 | 先端基礎研究センター

新たなスピン流の担い手を発見 ~量子効果を用いた熱電発電、情報伝送へ道~

東北大学 原子分子材料科学高等研究機構(WPI-AIMR)/金属材料研究所 齊藤英治研究室の廣部大地博士課程学生と齊藤英治教授、同大学院工学研究科の川股隆行助教と小池洋二教授、日本原子力研究開発機構先端基礎研究センターの佐藤正寛研究員(当時。現茨城大学准教授)と前川禎通センター長らは、新しいタイプのスピン流伝搬の観測に成功しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2016/p16092801/
発表年月日:16/09/13 | 先端基礎研究センター

新材料ゲルマネンの原子配置に対称性の破れ ― 省エネ・高速・小型電子デバイス実現に向けた素子開発へ道 ―

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 児玉敏雄、以下「原子力機構」)先端基礎研究センターの深谷有喜研究主幹らは、東京大学物性研究所(総長 五神真)の松田巌准教授らと高エネルギー加速器研究機構(機構長 山内正則、以下「KEK」)物質構造科学研究所の兵頭俊夫特定教授らのグループとの共同研究により、全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法を用いて単原子層状物質グラフェンのゲルマニウム版であるゲルマネンの原子配置を決定しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2016/p16091301/
発表年月日:16/08/26 | J-PARCセンター

大量に塩(えん)を含む氷の特異な構造を解明

氷と塩とは互いに溶け合わない、という事実は古くから知られています。しかし、高圧氷と塩との反応については、これまで系統的な研究が行われておらず、ほとんど知見がありませんでした。パリ第6 ピエール・エ・マリ・キュリー大学のS. Klotz教授らの研究グループは、東京大学大学院理学系研究科小松一生准教授、鍵裕之教授、および日本原子力研究開発機構 J-PARCセンター、総合科学研究機構 中性子科学センターとの共同研究で、塩化リチウムおよび臭化リチウム水溶液から、リチウムイオンや塩化物/臭化物イオンを高い濃度で含む氷の高圧相を合成し、これを大強度陽子加速器施設 (J-PARC) の物質・生命科学実験施設 (MLF) にある超高圧中性子回折装置PLANETを用いて観察することに成功しました。得られた中性子回折パターンおよび分子動力学法による計算結果から、高濃度に塩を含む氷は、氷の高圧相である氷VII相に似た構造を持ちながら、水分子の向きについてはほぼ等方的であり、水素結合ネットワークの多くが破壊されていることを明らかにしました。このような壊れた水素結合ネットワークは他の形の氷や水素結合を持つ物質には見られないもので、新奇な物性を持ちうる可能性があります。
関連リンク:http://j-parc.jp/ja/topics/2016/Press160826.html
発表年月日:16/08/26 | 先端基礎研究センター

重イオン反応による新たな核分裂核データ取得方法を確立 ― 核分裂現象の解明にも道 ―

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 児玉敏雄。以下「原子力機構」)先端基礎研究センターの西尾 勝久サブリーダー及び廣瀬 健太郎 研究副主幹らは、東京工業大学(学長 三島 良直。以下「東工大」)科学技術創成研究院 先導原子力研究所の千葉 敏 教授、近畿大学(学長 塩﨑 均)理工学部 電気電子工学科の有友嘉浩 准教授らのグループとの共同研究により、核分裂核データとして重要な核分裂片の質量数収率分布を重イオンどうしの衝突で生じる多核子移行反応によって取得する新たな方法の開発に成功するとともに、動力学モデルで実験データを再現することに成功しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2016/p16082602/
発表年月日:16/07/4 | J-PARCセンター

高圧氷に新たな秩序状態を発見 - 氷の五大未解決問題の一つを解決 -

我々の身の回りでもっとも身近な結晶とも言える氷ですが、今でも解決されていない多くの研究課題があります。氷には17種類もの多形 (異なる構造の氷) があることが知られていますが、高圧低温状態で現れるとされる氷XV相の構造と性質には多くの矛盾があり、氷の未解決問題の一つとなっていました。東京大学大学院理学系研究科小松一生准教授、鍵裕之教授らの研究グループは日本原子力研究開発機構 J-PARCセンター、総合科学研究機構 中性子科学センターとの共同研究で氷XV相の低温高圧下で中性子回折の直接観察を行い、氷XV相が異なる水素配置を持つ複数のドメインからなる部分秩序相であることを明らかにしました。この結果は氷XV相に関する過去の研究の矛盾点を解消でき、さらに、氷の多形において秩序相、無秩序相に加え、部分秩序相という第3の状態を考慮に入れる必要があることを示唆するもので、氷研究におけるパラダイムシフトとなる可能性があります。
関連リンク:http://j-parc.jp/ja/topics/2016/Press160704.html
発表年月日:16/06/30 | J-PARCセンター

充放電しているリチウム電池の内部挙動の解析に成功 - 中性子線を用い非破壊かつリアルタイム観測により実現 -

東京工業大学、高エネルギー加速器研究機構、京都大学の研究グループは、実際に充放電しているリチウムイオン電池の内部で起こる不均一かつ非平衡状態で進行する材料の複雑な構造変化を原子レベルで解析することに成功した。中性子線を用いて、非破壊かつリアルタイムに観測し、そのデータを自動解析するシステムを開発した。刻一刻と変化する電池反応を観測し、解明できる手法の開発は画期的である。蓄電池の信頼性や安全性に関する詳細な情報が容易に得られるため、リチウムイオン電池のさらなる高性能化だけでなく、全固体電池などの次世代蓄電池開発にも大きく貢献すると期待される。
関連リンク:http://j-parc.jp/ja/topics/2016/Press160630.html
発表年月日:16/06/14 | 物質科学研究センター

世界初!ステンレス鋼の加工時に生成するナノサイズの結晶相を、放射光X線により観測! ~水素による脆化を防ぐ研究開発への応用に期待~

公立大学法人大阪府立大学(理事長:辻 洋)理学系研究科 久保田 佳基 教授と、同工学研究科 森 茂生 教授、新日鐵住金ステンレス株式会社(代表取締役社長:伊藤 仁)研究センター 秦野 正治 上席研究員、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長:児玉 敏雄)原子力科学研究部門 物質科学研究センター 菖蒲 敬久 主任研究員らは、さびにくい鉄鋼材料として原子炉シュラウドをはじめ最も実用材料として使用されているステンレス鋼SUS304の加工誘起マルテンサイト変態における中間相として六方晶ε相が出現することを明らかにしました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2016/p16061401/
発表年月日:16/06/8 | J-PARCセンター

金属強磁性体SrRuO3を用いて電子状態の量子力学的な位相をスピンの運動として初めて観測

大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 (KEK) 物質構造科学研究所の伊藤晋一教授のグループは、国立研究開発法人理化学研究所創発物性科学研究センター (CEMS) の永長直人副センター長、十倉好紀センター長のグループ、および、Institute for Basic ScienceのJe-Geun Park教授のグループと共同で、茨城県東海村にある大強度陽子加速器施設J-PARCの物質・生命科学実験施設 (MLF) に設置された高分解能チョッパー分光器HRC (以下、HRC) を用いて、次世代型太陽電池への応用などが期待される金属強磁性体SrRuO3のスピン波のエネルギーを温度の関数として正確に測定することで、「電子状態の量子力学的な位相」に関する情報を得て、それが電子輸送現象である「ホール効果」と関連づけることができることを世界で初めて明らかにしました。
関連リンク:http://j-parc.jp/ja/topics/2016/Press160608.html
発表年月日:16/05/10 | 先端基礎研究センター

森林から生活圏への放射性セシウムの移行を抑制する新技術

茨城大学工学部の熊沢 紀之 准教授の研究室と、熊谷組グループ((株)熊谷組、テクノス(株))、日本原子力研究開発機構(JAEA)の長縄 弘親 博士らによる研究グループは、放射性セシウムを吸着できるベントナイト(モンモリロナイトという鉱物を主成分とする粘土の総称)と、電荷をコントロールしたポリイオンコンプレックス(反対電荷を持った高分子が静電力によって自己集合したもの。)を用い、放射性セシウムの移行を抑制する技術を新たに開発しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2016/p16051001/
発表年月日:16/04/21 | J-PARCセンター

パーキンソン病発症につながる「病態」タンパク質分子の異常なふるまいを発見 ―発症のカギとなるタンパク質の線維状集合状態の形成過程解明の手がかりに―

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構、国立大学法人鳥取大学、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 J-PARCセンター、一般財団法人総合科学研究機構らは共同で、中性子準弾性散乱装置を用いて、パーキンソン病の発症と密接に関係する脳内のあるタンパク質の動きを分子レベルで調べ、このタンパク質同士が線維状に集合した状態で異常なふるまいを示すことを世界で初めて発見しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2016/p16042101/

2015年度

発表年月日:2016/3/18 | 高温ガス炉水素・熱利用研究センター

工業材料で製作した熱化学法ISプロセス水素製造試験装置による水素製造に成功 ―実験室段階から高温ガス炉による水素製造の研究開発が前進―

高温ガス炉の熱を利用するための熱化学法ISプロセスによる水からの水素製造技術の研究開発を実施しています。この度、この熱化学法ISプロセスの工業化を見据え、実験室段階(反応器などをガラスで製作)に続く取り組みとして、3反応工程毎の環境に耐え得る工業材料(金属、セラミックス等)を用いて反応器を開発し、各反応工程別の機能確認に加え、世界でも例の少ない3反応工程を連結した水素製造試験装置の試運転に成功し、実用化に向けた研究開発が大きく前進しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p16031801/
発表年月日:2016/3/7 | 先端基礎研究センター

全反射高速陽電子回折法によりグラフェンと金属との界面構造の解明に成功 ― グラフェンを用いた新規材料開発に道 ―

原子力機構とKEKが共同で開発した全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法を用いてグラフェンと金属基板間の境界面の構造(界面構造)を詳細に調べ、金属の元素によるグラフェンとの結合の違いを実験的に明らかにしました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p16030701/
発表年月日:2016/1/11 | 量子ビーム応用研究センター

レーザーでトンネルコンクリートの健全性を高速で検査する - レーザー計測技術の高度化により、遠隔・非接触のトンネル安全性検査の高速化に道筋 -

コンクリート内部の外からは見えない「ひび割れ」等の欠陥をレーザーにより検出する「レーザー欠陥検出法」と呼ばれる技術を高速化し、従来の50倍の速さでの欠陥の検出に成功しました。今後、実際のトンネルコンクリートで想定される様々なタイプの欠陥の検出を検証していくことで、従来の打音法に代わる、遠隔・非接触のトンネル安全性検査技術として期待されます。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p16011101/
発表年月日:2015/12/18 | 量子ビーム応用研究センター

抗がん剤の作用メカニズムの『鍵』を原子レベルで解明 ―より効果の高い抗がん剤の開発に繋がると期待―

本研究成果により、がん細胞に特異的に細胞死を引き起こす抗体の立体構造とその作用の「鍵」となる基本単位を、原子レベルで明らかにすることに成功しました。近年、抗体の特性を活かした分子標的治療が盛んに行われており、数多くの抗体分子が医薬品として臨床応用されています。本研究で得られた原子レベルでの知見は、より効果の高い抗がん剤の開発を推し進め、将来的に副作用が低減した抗がん剤の創製に繋がると期待されます。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15121801/
発表年月日:2015/11/26 | 量子ビーム応用研究センター

機能性食品の開発に新たな道筋 ―植物種皮のアントシアニン蓄積を支配する遺伝子をイオンビームで発見―

アントシアニンとは、黒大豆のような種子の色などを決める植物色素のポリフェノールの一種で、強い抗酸化力を持つことも知られています。アントシアニンがどのようにして液胞と呼ばれる細胞小器官へ蓄積するのか、そのメカニズムはほとんどわかっていませんでした。今回、赤い未熟種子をつける特殊なシロイヌナズナを利用し、この種子にイオンビームを照射して種皮のアントシアニン蓄積量が減少した変異体を作出し、この変異体に関する詳細な細胞観察や塩基配列の解析から、アントシアニンの蓄積に必須の遺伝子の同定に世界で初めて成功しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15112601/
発表年月日:2015/11/5 | 量子ビーム応用研究センター

放射線障害を回避する染色体タンパク質の立体構造の変化を初めて観測 ―DNA損傷修復機構の解明と放射線障害の防止に期待―

放射線を照射した細胞が、染色体を構成するタンパク質の立体構造を自ら変化させることを発見しました。この構造の変化は、放射線で傷ついた遺伝子(DNA)の修復を促していると予想されます。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15110501/
発表年月日:2015/9/28 | 先端基礎研究センター

イオン照射による新奇複合ナノチューブの新たな創製方法の開発に成功 -小型化・省電力化された電子・発光デバイスへの道を拓く-

イオン照射により、結晶状態をコントロールできるようにしたことで、新しい構造を持った新奇複合炭化ケイ素(SiC)系ナノチューブの創製方法の開発に成功しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15092801/
発表年月日:2015/6/26 | 原子力エネルギー基盤連携センター

加速器中性子で製造した医学診断用テクネチウム99mの実用化へ大きく前進(お知らせ)

核医学診断に多用されている放射性同位元素テクネチウム99m(99mTc)を、加速器中性子で生成したモリブデン99(99Mo)から熱分離精製し、その純度が放射性医薬品基準をクリアしていることを確認するとともに、骨診断用医薬品を用いたマウス生体内分布画像を初めて取得し、既存の99mTc製品と同等であることを明らかにしました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15062601/
発表年月日:2015/6/1 | 高崎量子応用研究所

原子力機構高崎研のイオンビーム育種技術支援が民間の花の新品種作出に貢献

地域や企業が有する特色ある農作物等のブランド力の強化や高品質化を通じて農業の振興に貢献するため、機構は高い専門知識を有する技術支援員を配置し、新品種の開発に取り組む民間の団体や企業のユーザーに対する技術支援を行ってきました。その一環として、イオンビーム育種(イオンビームが誘発する突然変異を利用した植物などの有用品種の作出)において、このたび、海部苗木花き生産組合連合会(愛知県)、有限会社精興園(広島県)、及び横浜植木株式会社(神奈川県)は、新品種の作出に成功し、販売に至りました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15060102/
発表年月日:2015/5/15 | 先端基礎研究センター

強い磁場でよみがえる超伝導のしくみを解明- 磁場で制御するウラン化合物の新しい機能性の解明と材料開発の推進 -

ウラン化合物URhGeでは、磁場でいちど壊された超伝導が、さらに強い磁場をかけると再び出現するという、これまでにない現象が見つかっていました。今回、核磁気共鳴実験からこの新しい超伝導のメカニズムを初めて明らかにしました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15051501/
発表年月日:2015/5/7 | 量子ビーム応用研究センター

放射線がん治療の副作用低減に新たな道筋-放射線が当たっていない細胞で起こる「バイスタンダー効果」の特徴を見出すことに成功-

放射線が当たっていない細胞で起こる「バイスタンダー効果」(放射線が当たっていない周囲の細胞があたかも放射線に当たったかのような反応を示す現象)に関して、細胞内で合成された活性な窒素化合物である一酸化窒素が引き金となって、かつその合成量に応じて起こることを世界で初めて明らかにしました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15050701/
発表年月日:2015/4/27 | 量子ビーム応用研究センター

これまでになく強く明るいX線を発生する新たな技術誕生へ―毎秒1億回の電子ビーム・レーザー衝突でX線を作る―

エネルギー回収型リニアックにおいて電子ビームとレーザービームを微小スポットで、1秒間に1.625億回という非常に高い頻度で衝突させることで、エネルギーのそろったX線ビームの生成に成功し、新たな計測・観察ツールとしての次世代光源へ道を開きました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15042701/
発表年月日:2015/4/23 | 量子ビーム応用研究センター

ヨシはなぜ塩水でも育つのか―根の中でナトリウムを送り返す動きをポジトロンイメージングで観ることに世界初成功―

放射線を利用した画像化技術(植物ポジトロンイメージング技術)を使い、塩分による害を引き起こすナトリウムがイネとヨシの内部を動く様子を画像化し、ヨシは一旦根の中に吸収したナトリウムを、根の先端に向かって常に送り返して排除していることを世界で初めて明らかにしました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15042301/
発表年月日:2015/4/13 | 量子ビーム応用研究センター

非磁性体の電子スピンを“ありのまま”で観測~陽電子ビームの可能性の創出~

スピン偏極陽電子ビームを用いて、電流を流した非磁性体中の電子スピン配列現象をスピン偏極陽電子ビームを用いて直接観測することに初めて成功し、スピントロニクスの材料研究の分析手段として陽電子ビーム手法が有用であることを実証しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15041301/
発表年月日:2015/4/9 | 先端基礎研究センター

103番元素が解く、周期表のパズル-ローレンシウム(Lr)のイオン化エネルギー測定に成功-

103番元素ローレンシウム(Lr)のイオン化エネルギー測定に成功しました。測定したイオン化エネルギーは他のアクチノイドと比べて極端に低いこと、この値を理論計算で再現すると、最外殻電子が相対論効果の影響を受けて周期表から期待される軌道と異なることを高い精度で明らかにしました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15040901/

2014年度

発表年月日:2015/3/12 | 量子ビーム応用研究センター

セシウムイオンを選択して吸着するタンパク質を発見-生物における放射性セシウムの動態を知る新たな手がかり-(お知らせ)

これまでタンパク質にはセシウムを選択的に吸着する部位は知られていませんでしたが、X線結晶解析さらにX線の異常分散効果を利用して、セシウムイオンを選択して吸着する部位を発見しました。これにより、セシウムを吸着しやすいタンパク質を多く持つ生物や生体内の組織、即ち、セシウムを蓄積しやすい可能性がある生物や生体内の組織を探し出すことができます。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15031201/
発表年月日:2015/3/12 | 原子力基礎工学研究センター

原子核崩壊データを網羅した原子核の世界地図「原子力機構核図表2014」の完成

最新の原子核崩壊データをまとめた冊子「原子力機構核図表」を大きく改訂しました。本核図表には、原子核の半減期をはじめ原子核崩壊データが収録されています。実験的に確認された3,150核種の原子核崩壊データとともに、理論的に存在が予言されている1,578核種の半減期も収録しています。この核図表を広げて見ると、最前線の原子核研究に必要な情報を得られるとともに、「宇宙で、どの様に元素ができてきたのか?」等の教育にも活用できます。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15031202/
発表年月日:2015/3/10 | 量子ビーム応用研究センター

光で鉄の原子核を一気に加速 -光は天体現象や元素合成過程の解明に迫る新しい手段となるか?-

強いレーザー光で電子をまとわない状態の鉄の原子核を作り出し、その原子核を世界で初めて一気に光の1/5の速さまで加速することに成功しました。この手法を応用すれば、これまで実験室内で生成できても短時間ですぐに壊れるため取り出すことが困難であった原子核を取り出すことが可能になり、原子核の詳細な研究・分析に新しい道を拓くことが期待できます。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15031001/
発表年月日:2015/2/26 | 量子ビーム応用研究センター

爽やかな青色の花色素を作り出す酵素のしくみを解明-青色色素原料との結合状態の観測に世界で初めて成功-

植物の花や果実などの発色を担い、医薬品の原料としても期待される色素“アントシアニン”を大型放射光施設SPring-8等を利用したX線結晶構造解析によりアントシアニジンが酵素に結合した様子を世界で初めて観測し、発色の異なる色素原料を識別する分子メカニズムを明らかにしました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15022601/
発表年月日:2015/2/6 | J-PARCセンター

J-PARCの3GeVシンクロトロン加速器が性能を大幅に向上-1MW相当のビーム加速に成功-

大強度陽子加速器施設J-PARCの第2段加速器である3GeVシンクロトロン(3GeV Rapid Cycling Synchrotron: RCS)において、平成27年1月10日の試験運転時に、所期性能である1MW相当のビームパワーでの陽子の加速に成功しました。大強度の高繰り返し陽子シンクロトロンとしての世界最高性能を更に向上させたことになります。今後、J-PARCで行われている、物質科学、生命科学、素粒子物理、原子核物理など各分野における研究の更なる進展が期待されます。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15020602/
発表年月日:2015/1/14 | 量子ビーム応用研究センター

重粒子による高いがん治療効果をもたらす「DNAの傷の塊(かたまり)」を発見-放射線によって生じるDNAの傷の微視的分布の観測に世界で初めて成功-

独重粒子線によって生じたDNAの複数の傷が極めて近接して塊のように存在していることを世界で初めて見出しました。重粒子線などの放射線で生じるDNAの傷のミクロな分布を明らかにしたことで、重粒子線がん治療の高度化や重粒子線を含む宇宙放射線の人体影響の正確な評価が可能になります。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15011401/
発表年月日:2015/1/8 | 量子ビーム応用研究センター

先端X線分光法が「働く触媒中の電子の動き」を捉える~触媒の新規創製、性能向上に指針を与える新しい測定技術を実証~

独自に開発を進めてきた先端X線分光法(共鳴非弾性X線散乱法)により、触媒反応の過程で変わりゆく電子の動きを、反応しているその場で精緻に調べることを可能にし、自動車排ガス浄化のためのインテリジェント触媒が働いている環境下の測定により触媒となる貴金属とその触媒を支える担体との間での電子の動きが触媒の自己再生能、さらには反応ガスの吸着能を支配していることを解明しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15010802/
発表年月日:2014/12/22 | 原子力基礎工学研究センター

J-PARCがもたらす新たな元素分析法 -大強度パルス中性子による迅速・高精度分析-(お知らせ)

大強度陽子加速器施設(J-PARC)で得られる大強度パルス中性子の利用と、測定技術の高度化によって、従来、ガンマ線と中性子を個別に測定していた元素分析技術を融合した分析法を世界で初めて実用化しました。融合による相乗効果でこれまで分析が困難であった元素でも高精度に分析出来る事を示しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14122202/
発表年月日:2014/12/19 | 先端基礎研究センター

金属中の磁気・電気の流れを切り替える- 原子力分野での熱電発電利用に向けて -

極僅かにイリジウムを添加した銅において、磁気の流れを電気の流れ(もしくはその逆)に変換する物理現象(スピンホール効果)で生じる電圧の符号が、電子同士の互いに反発しあう力によって反転することを理論的に示しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14121901/
発表年月日:2014/12/18 | 高温ガス炉水素・熱利用研究センター

高温ガス炉の国際安全基準の策定に向けて 国際原子力機関(IAEA)の下で協力研究計画を開始します(お知らせ)

日本原子力学会「高温ガス炉の安全設計方針」研究専門委員会にて、高温工学試験研究炉(HTTR)4)の試験データに基づく高温ガス炉の安全基準案についての検討を実施しております。原子力機構は、今般IAEAで開始が決定された協力研究計画に対し、当該基準案を提出し、その国際標準化を目指すこととしました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14121801/
発表年月日:2014/12/12 | 先端基礎研究センター

熱の流れが磁場で変わる仕組みを解明- 磁場を用いた熱流制御の可能性 -

フォノンホール効果について、なぜ熱流が磁場によって向きを変えるのかは謎でしたが、今回、当研究グループは、この現象の起源が、非磁性絶縁体に極僅かに含まれた磁気を持ったイオン(磁性イオン)によるものであることを、理論計算によって明らかにしました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14121201/
発表年月日:2014/11/21 | 量子ビーム応用研究センター

SPring-8とレーザーを組み合わせた新しい観測手法と数値シミュレーションにより、レーザー加工時の金属の溶融・凝固の様子のその場観察に世界で初めて成功 推進で成果活用へ
今回の成果は~ 戦略的イノベーション創造プログラム (SIP) 課題「革新的設計生産技術」に提案・採択された課題で活用することとなっており、現在本格的な研究を展開しています。

SPring-8とレーザーを組み合わせた従来にない高精度の観察手法を開発し、更に数値シミュレーション技術と組み合わせることにより、レーザー加工時に金属が溶融・凝固する様子を精密に観察することに世界で初めて成功しました。今回の成果により、溶接時に溶けて液体化した金属部分が周辺部分から受ける影響を正しく把握できるようになり、レーザー溶接の大幅な品質向上が期待されます。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14112101/
発表年月日:2014/11/14 | 先端基礎研究センター

下水汚泥焼却灰中における放射性セシウムを90%以上回収することに成功 -放射性物質を含む汚泥焼却灰の処理に道筋- (お知らせ)

東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故によって生成された、放射性セシウムを含む下水汚泥焼却灰の化学状態を分析し、灰を数百ナノメートルサイズの粒子まで粉砕して処理することで、90%以上の放射性セシウムを回収することに成功しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14111401/
発表年月日:2014/10/31 | 量子ビーム応用研究センター

福島の土壌が僅かなセシウムの取り込みにより多量のセシウムを呼び込むメカニズムを解明 -放射性セシウムが吸着した粘土鉱物のミクロな構造変化- (お知らせ)

土壌成分のひとつである粘土鉱物「バーミキュライト」が、セシウムイオンを多量に取り込むメカニズムの解明に成功しました。この成果は、福島県の汚染土壌を取り扱う上で有用な知見を含んでおり、セシウムイオンの環境移行、土壌からのイオンの溶脱方法、減容化方法の開発など、福島県内の環境回復問題に大きく貢献することが期待されます。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14103101/
発表年月日:2014/10/30 | 原子力基礎工学研究センター

エマルションフロー法でレアアース・レアメタルのリサイクルに大きく貢献 -廃材内レアアースを低コスト・高効率に高純度で回収-

カメラや眼鏡に使われる高屈折率ガラスには、多量のレアアースが使用されています。新たな放射性廃液の浄化方法として開発したエマルションフロー法を利用して、光学ガラスなどの廃材から酸処理によって溶出させたレアアースを、低コストで高効率に、純度99.999%(ファイブナイン)にまで分離・精製することに成功しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14103001/
発表年月日:2014/9/26 | 量子ビーム応用研究センター

鉄に溶けた水素はどこにいる? -鉄中の水素を中性子で観測することに成功-

水素を観測することができるJ-PARCの大強度中性子線を利用して、高温高圧力下において鉄に水素が溶ける過程と鉄中に高濃度に水素が溶けた状態を、そのままの状態で観察することに成功しました。その結果、鉄中の水素の存在位置が定説とは異なることを発見しました。今回、実験的に鉄中の水素の位置や量を決定できたことにより、鉄-水素系に新しい理解をもたらし、鉄鋼材料の劣化や地球内部の状態など鉄と水素が関わる研究の進展が期待されます。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14092603/
発表年月日:2014/9/22 | 先端基礎研究センター

まだら模様に凍る電子 ─ 磁場で変化する重元素化合物による新しい原子力材料開発の推進 ─

重元素と呼ばれる元素のうち、イッテルビウム(Yb)化合物について、核磁気共鳴法を用いて電子状態を観測した結果、低温で低磁場の環境下においては、水と氷が共存するように、二つの異なった電子状態が、まだら模様になって共存することが初めて見出されました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14092201/
発表年月日:2014/8/29 | 量子ビーム応用研究センター

DNAの曲がりやすさにも遺伝子発現情報が含まれている -J-PARCにおける中性子準弾性散乱実験とシミュレーション計算により、DNAと水和水の運動の観測に成功-

シミュレーション計算で曲がりやすさが大きく異なると予測された二つのDNAに関して、DNAの水和水の運動を直接観測できる中性子準弾性散乱実験をJ-PARCで実施し、その運動の詳細をシミュレーション計算により追跡した結果、DNAの曲がりやすさは塩基配列によって異なることを実証しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14082901/
発表年月日:2014/8/4 | 原子力水素・熱利用研究センター

インドネシア原子力庁と高温ガス炉の研究開発に関する協力を開始(お知らせ)

原子力機構は、高温工学試験研究炉(HTTR)の研究開発において獲得した知見等を活用して、インドネシア原子力庁(BATAN)が進める高温ガス炉(試験・実証炉)の導入計画に協力し、我が国の高温ガス炉技術の国際展開及び国際標準化を図ることとしました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14080401/
発表年月日:2014/6/27 | 先端基礎研究センター

ウラン系強磁性超伝導体における新しいタイプの磁性現象の発見(お知らせ)─磁性が共存する超伝導メカニズムの解明へ─

磁性と超伝導が共存する唯一の超伝導体として知られているウラン系強磁性超伝導体において、既存の磁性理論では説明できない全く新しいタイプの磁性現象を発見しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14062701/
発表年月日:2014/6/11 | 先端基礎研究センター

強磁場で引き出されたウラン化合物の特異な磁性 ─世界最高磁場で核磁気共鳴法を応用─

ウラン化合物(Uru2Si2)に対して、世界最高磁場を用いて状態を変化させて出現した磁気状態を、核磁気共鳴(NMR)法により調べた結果、特異な構造を決定しました。新しい機能をもったウラン化合物を作るための原理を解明し、将来の原子力科学の発展に寄与します。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14061101/
発表年月日:2014/5/21 | 先端基礎研究センター

回転運動によって操作された原子核スピンの直接測定に成功 ~スピンを用いたナノメカニクス研究の加速へ~

核磁気共鳴法を独自に発展させ、1秒間に万回転する物質中の原子核スピンを分析する手法を開発しました。これにより、高速回転運動が素粒子のスピンへ与える効果を直接測定することに成功しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14052101/
発表年月日:2014/5/2 | 原子力基礎工学研究センター

原子力施設の解体物などを詰めたドラム缶中のウランの総量を非破壊測定する技術を実証

廃棄物ドラム缶内に含まれるウランの総量を正確に把握することが必要です。従来の技術では、ドラム缶中のウランの位置によってウラン量の測定値が数倍以上変化してしまう問題があり正確な測定が困難でした。そこで、私たちは高速中性子直接問いかけ法という技術を開発し、短時間で従来の技術よりずっと高い精度で測定できることを実証しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14050201/
発表年月日:2014/5/2 | 原子力基礎工学研究センター

新しい放射性廃液処理技術 ~エマルションフロー法での除染廃液からのウラン除去 ~

放射性廃液の処理でウランなどの放射性物質だけを除去したいとき、溶媒抽出という、油に目的成分だけを抽出して除去する方法が使えます。この原理に基づく新たな抽出法として開発してきたエマルションフロー法を利用した溶媒抽出装置は、高性能、低コストで、しかも扱いが容易です。この装置を3台連結すれば、廃液から99.9%のウランを選択的に回収・除去できることを実証しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14050202/
発表年月日:2014/4/25 | 量子ビーム応用研究センター

量子ビームの合わせ技で電子の動きを捉える ~三種の非弾性散乱を用いて銅酸化物高温超伝導体における電子励起状態の全体像を解明~

三種の量子ビーム、軟X線、中性子、硬X線の非弾性散乱を組み合わせることで、負の電荷が導入された(電子ドープ型)銅酸化物高温超伝導体におけるスピンと電荷の励起の全容を明らかにしました。特に、電子ドープ型の励起はホールドープ型と大きく異なり、電子がより動きやすい状態にあることを発見しました。今後、実験結果を統一的に記述する理論モデルの探索から銅酸化物における超伝導発現機構解明に近づけるものと期待されます。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14042502/
発表年月日:2014/4/22 | 量子ビーム応用研究センター

蛍光X線ホログラフィー法により リラクサー強誘電体の局所構造の3次元可視化に成功 - 新規高機能誘電・圧電材料実現へのブレークスルー -

蛍光X線ホログラフィー法をペロブスカイト構造を持つ典型的リラクサー強誘電体に適用し、不均質系結晶における3次元局所構造の解明に世界で初めて成功しました。今回の成果により、今後、リラクサー強誘電体の高機能物性の起源の解明が進み、鉛等の有害物質を使用することなく高性能な誘電・圧電性を有する強誘電体を実現するためのブレークスルーがもたらされます。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14042201/
発表年月日:2014/4/21 | 先端基礎研究センター

全反射高速陽電子回折法「TRHEPD法」の高度化により究極の表面構造解析が可能に)

高強度低速陽電子ビームを高輝度化して、TRHEPD(全反射高速陽電子回折)法の高度化を実現しました。 この手法をシリコン結晶の(111)表面に適用して、その表面超高感度性を実証しました。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14042101/
発表年月日:2014/4/18 | 先端基礎研究センター

DNA損傷が正常な染色体にも影響を与えることを発見(お知らせ)

DNAが損傷を受けることで、細胞中の被ばくしていない正常な染色体にも異常が生じることを発見しました。生物に対する照射影響では、直接損傷を受けたDNAが正常に機能できないことが主に考えられていましたが、細胞内では複雑なメカニズムを介して非照射染色体中のDNAにも影響が及ぶ可能性を示唆する結果と言えます。
関連リンク:http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14041801/

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